いわゆる「県民性」という概念は昔からあり、あまりにも相性が芳しくないと感じると、このステレオタイプ(先入観、思い込み、固定観念、レッテル、偏見)に頼りたくなってしまうもの。

 ですが、自分で勝手に決めてしまう「苦手だと思う地域」の意識はもちろん、「得意だと思う地域」の意識も禁物です。なぜなら、自然と苦手だと思う地域にはアプローチをしなくなる分、「得意だと思う地域」にのみ集中し過ぎることになり、アプローチ先の企業リストが一気に底をついてしまいかねないからです。

 あなたはぜひ47の都道府県にまんべんなくトライして「全国津々浦々の社長から仕事が獲れる営業パーソン」になってください。

孤独な社長の息抜きタイムに
ダイレクト営業はフィットする

 社長は心身ともに激務です。社内での各種ミーティングや経営会議、役員会議、決裁、そして顧客先でのトップダウン営業等々、心休まるいとまはありません。そして企業で最高、唯一の立場。基本的に社長の代わりは存在しません。

 そんな多忙な日々を過ごす社長は、会社の外では社長仲間と気楽に飲みに行ったりゴルフに出かけたりして憂さ晴らしができますが、社内では孤独で緊張の連続です。

 ですから、社長は利害関係なく気やすく接することのできる話し相手を常に求めています。

 そうです。そのひとりが「あなた」なのです。あなたは社長にとって外部企業の営業パーソン。もしも仕事が決まればそこで利害関係が成立しますが、そうなる前は気兼ねなく話せる相手です。

 社内ではなかなか言えないオフレコの話や、会社のちょっとした悩みごとなどの本音も交えながら、息抜きのひとときを過ごしたいと考えてもおかしくありません。

 しかも、あなたは社長の会社にふさわしいと思われるニュース(商品やサービス)を携えてあらわれる。少なくとも悪いニュースではないはず。もしかしたらグッドニュースかもしれないという期待感もあって、社長は心のなかでは歓迎してくれるのです。

 多少の例外はあるにせよ、このような社長の心の内が理解できれば、あなたも勇気を持って社長ダイレクト営業の第一歩を踏み出せるはずです。