ゼネコン複合危機 全国2565社ランキング#4Photo:Sean Gladwell/gettyimages, Hiroshi Watanabe/gettyimages

ゼネコン業界の総本山といえるのが、日本建設業連合会(日建連)だ。これまで業界の“顔役”である日建連会長は、スーパーゼネコン在京組である鹿島、清水建設、大成建設の3社が持ち回りで務めてきた。実は、この慣例が崩れるとの観測が出ている。特集『ゼネコン複合危機 全国2565社ランキング』の#4では、日建連の次期トップを大胆予想する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

キーマンは大林組の蓮輪社長
同社初の副会長建築本部長に就任

 日本建設業連合会(日建連)は日本土木工業協会、建築業協会、日本建設業団体連合会(旧日建連)の3団体が合併して2011年に誕生した。売上高1兆円を超えるスーパーゼネコンをはじめ、準大手や中堅など147社、そのほか5団体で構成されるゼネコン業界の「総本山」である。

 日建連は建設業界の意見を取りまとめたり、業界を取り巻く諸課題の解決に向けて政府や関係団体に要望活動を行ったりする。無論、日建連のトップである会長は、業界の顔役だ。政府や政治家とのパイプが構築され、ひいては自社の営業活動にも有利に働くことが少なくない。

 現在は、清水建設の宮本洋一代表取締役会長が21年度から日建連会長を務めており、2期目(1期2年)に突入した。

 会長の選任に明確なルールはないが、これまでの慣例でスーパーゼネコン在京3社である鹿島、清水建設、大成建設がほぼ持ち回りの形で会長を選出してきた。日建連の首脳は、いわばスーパーゼネコン在京3社の“特権”だったのだ。

 しかし、その慣例が崩れるかもしれないのだ。これは、ゼネコン業界の秩序がガラリと変わることを意味する。

 キーマンは、大林組の蓮輪賢治代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)だ。

 これまで副会長が兼任する土木本部長、建築本部長のポストも在京3社で回してきた。しかし、蓮輪氏が21年度に、大林組から初めて副会長建築本部長に就任した。このサプライズ人事に、ゼネコン業界は大いにざわついた。

 そして今年度の改選でも蓮輪氏の再任が決まった。初の会長ポストが射程圏内に入ってきたといえる。

 果たして、蓮輪氏の日建連会長就任は、あり得るのか。次ページからは、日建連の次期トップを大胆予想する。会長人事の行方を大きく左右するのが、ゼネコン業界を震撼させた“ある事件”の動向である。