人が次々辞めていく、上司と部下の会話がない、メンバーのモチベーションが上がらない――コロナ明け、チーム内コミュニケーションに悩んでいる人も多いかもしれない。そんな悩める人に話題となっているのが、北の達人コーポレーション(東証プライム上場)・木下勝寿社長の最新刊『チームX(エックス)――ストーリーで学ぶ1年で業績を13倍にしたチームのつくり方』だ。神田昌典氏は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」と絶賛した。
これまでのシリーズ『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」と会計士から評され、『時間最短化、成果最大化の法則』はニトリ・似鳥会長と食べチョク・秋元代表から「2022年に読んだおすすめ3選」に選抜された。フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞、東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」1位となった木下社長だが、その裏には「絶頂から奈落の底へ」そして「1年でチーム業績を13倍にした」という知られざるV字回復のドラマがあった。しかもその立役者はZ世代のリーダーたち。本稿では『チームX』の一部を抜粋・編集しながら「勝てるチームの法則」を初めて公開する。
なぜ絶頂企業が
「組織の機能不全」に陥ったのか?
私が社長を務める「北の達人コーポレーション」の業績は徐々に右肩下がりになっていた。
2016年から4年で約5倍の成長を遂げた反動で“組織の機能不全”が起きていたのだ。
北の達人コーポレーションは、私が2000年に創業した、自社ブランドの化粧品、健康食品をeコマースで販売する企業(俗にD2C〈Direct to Consumer〉と呼ばれる)。
売上規模は100億円程度だが高収益であるため、「東京証券取引所プライム市場」に上場している。
私自身は関西出身だが、北海道の魅力に惹かれ札幌で起業したため、社名に「北」と入っているが、現在は歌舞伎座タワー(東京・銀座)にも本社を構えている。
当社はこだわりの商品開発力とともに、「WEBマーケティング」という比較的新しい分野のスキルを武器に業績を伸ばしていた。
WEBを使ったマーケティングは全工程が数値化されているため、各工程が正確に分析でき、従来のマーケティングと比べて圧倒的に精度が高い。
その効率性のよさ、一人当たりの生産性の高さから急速にビジネス界で影響力を増していった。
当社はWEBマーケティングを駆使し、22億円の売上(2016年)を4年で約5倍となる100億円(2020年)まで急成長させた。
しかし、2020年頃から当社も含めた業界全体が伸び悩むようになってきた。
原因は「行きすぎた効率化」にある。
絶頂から奈落の底へ
「北の達人コーポレーション」は絶頂から奈落の底へ突き落とされた。
最悪期には、集客数が最悪期に6分の1にまで縮小した。
だが、チームの変革(チームX)により、チームの業績を1年で13倍にしてV字回復した。
この原動力はZ世代を中心した若いパワーにある。
今、リーダーやマネージャーは若い世代との確執に悩んでいる人が多い。
私自身もその一人だ。
だが、今回のV字回復のドラマを通じて、解決策は必ずあると体感した。
その一端を悩めるみなさんとシェアしたく、今回、書籍化してみた。
チームXの「X」に込めた想いは「チームの変革」。
Xとは「変革」を意味する「トランスフォーメーション」を一字で表す略語だ。
本書やこの連載では、集客数が最悪期に6分の1にまで縮小した当社が、どのような「チームX」を行い、いかにして1年で13倍の成果を出したか紹介してきた。
そのキーワードが「5つの企業組織病」と、あなたの会社で「チームX」を行うために必要な「5つのX(変革)ポイント」。チームが変わると、会社が変わる。
(本稿は『チームX――ストーリーで学ぶ1年で業績を13倍にしたチームのつくり方』の一部を抜粋・編集したものです)