新・理系エリート#6Photo:a-clip/gettyimages

理系の就職戦線でIT大手のNTTデータと、コンサルティング大手のアクセンチュアが超人気を誇っている。しかし、超人気の2社であっても安泰ではない。この時代だからこその危うさを抱える。特集『新・理系エリート』(全59回)の#6では、人気就職先の内情とともに、理系脳の猛者が集う数学系62学科の偏差値10年間推移を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

メガバンクよりIT・コンサル
就活が「自由化された」

 理系の就職戦線でIT大手のNTTデータと、コンサルティング大手のアクセンチュアが超人気を誇っている。東京大学の新卒も毎年数十人規模でそれぞれに入社するようになった。

 また、前者は直近で新卒約700人、後者は中途採用を含めて1000人以上と採用人数が多いこともあって、理系学生から文系学生まで、東京の学生から地方の学生まで、幅広い層が大量に募集に押し寄せる。かつて学力トップのエリート層から地方の優秀層までを大量採用してきた大手銀行のポジションを彼らが奪ったのである。

 東大生が官僚やメガバンクではなくコンサル会社を選ぶようなった現状を、アクセンチュアでリクルーティング統括を担う佐野修平氏は「就活の自由化」と表現する。

 古くは研究室や教授の推薦でつながりの深い就職先をあっせんされるなど、就職ルートが固定化されていたが、近年はオープンになっている。就職推薦ルートを築いてきた大企業が経営難に陥ったりする一方で、通信会社が金融事業に手を出して銀行の競合になったり、大手であっても業態がどんどん変化していく時代。故に、就活も自由度が増した。

 ただし、この変化の渦の中では超人気の2社であっても安泰ではない。この時代だからこその危うさを抱える。

 次ページでは、その内情に迫るとともに、理系脳の猛者が集う数学系62学科の偏差値10年間推移を大公開する。