そして、「やるからには勝ちたいけどガチガチになりすぎて楽しめなくなるのも避けたい」という、実にエンジョイ勢らしい程よい塩梅のぬるい緊張感を4人で共有し、「初戦突破」を目標に掲げると、おそらく本当に初戦が突破できれば何かの大会で優勝したくらいの達成感と多幸感を手にできるであろうことが予想され、俄然奮い立ってきた。かくして約1週間、1日1時間だけオンラインで集まって練習することになったのであった。

安心のメンツで
終始穏やかな練習と本番

 人数が10人以上いるような社会人のゲームサークルにおいては、結構すったもんだが起きているのを見聞きする。メンバー同士の確執や衝突、「実はひそかに会っていた男女」などがよく確認されるが、これは所属のサークルの雰囲気にもよるのであろうか。とにかく今回集まった筆者含めた4人は気心が知れているため不安がなく、少人数なだけあって組織として暴走が起こりにくく、終始穏やかに楽しく練習に励んだ。

 本当は「各人のモチベーションの差から生じるギクシャク」や「唐突にA子を狙い始めるB男」、「チームが思うように上達せずキレる誰か」などの火種があった方が記事としては面白いのだが、本当に何事もなく、ハハハオホホと笑い合っているうちに本番を迎えたのであった。

 対戦形式はトーナメントを想定していたのだが、どうやら違うことを知る。「2時間みっちりたくさん試合をして、評価値の高かった(強かった)上位8チーム」を選抜する方式らしい。

 途中から目標の評価値を設定して挑んだが届かないまま終了となり、そこそこ悔しかったが、まずはその4人で大会に挑戦できたことが嬉しく、それを喜びあった。

 結果は、最上位層では参加したトッププレイヤーがベスト8入りできずに予選落ちするといった波乱もあったようだが、そうした雲の上の動きは我々にはまったく関係なく、「上位50%」ということで銅メダルをもらった。20%で銀、5%で金となる。娘は保育園の運動会で参加賞として、アルミの蓋を加工したメダルをもらって誇らしそうにしていたが、その気持ちをやや理解できた気がした。

 以上が顛末である。