ずっとグルグル考え続けてしまう、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。無意識に働きかける「暗示」を唱えることで、眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、著者の大嶋信頼氏に「なかなか消えないストレス・不安を手放す方法」について聞いてみた。
「えこひいき」に隠された興味深い心理
職場の上司が明らかに特定の社員をえこひいきしていて、「えぇ~? なんであの人は仕事ができないのに、あの人の意見ばかり取り入れているの?」ということがあります。
ひいきされていない部下たちは、その様子を見たり、上司がどうしようもない部下を頼ったりしているのを聞いたりするだけでイライラして、仕事のやる気をなくしてしまうことも。仕事に行くのもおっくうになってきて、「もう仕事を辞めてしまおうかな」と思ったり……。
そんな経験をしたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
このえこひいきする上司の心理がおもしろいんです。
一見すると、「自分が気に入った相手だけをひいきしている上司」は、ひいきしている相手の若さだったり、要領の良さだったり、媚を売るような態度にほだされていたりしている上司ということになります。
でも、実は、上司がある特定の人ばかりえこひいきするのは、自分よりも優れた能力を持った別の部下に嫉妬をしている可能性があるのです。
特定の人をえこひいきすることで、あなたを潰そうとしている!?
ここで、優秀な部下をA、えこひいきされている部下をBとします。
上司は、自分よりも下の立場である部下(A)が、自分よりも優れた能力を持っていることがわかると、嫉妬の発作を起こして破壊的な人格になってAを破壊しようとします。
嫉妬は「自分よりも下の立場なのに、自分よりも優れたものを持っている」という条件で起きる発作のようなもの。
そして、優秀な部下(A)を破壊するのに一番簡単な手段が、「その優秀な部下よりもできない人(B)をえこひいきすること」なんです。
「え? 部下を破壊したら、上司である自分の業績が悪くなるのでは?」と思うのですが、嫉妬の発作を起こしてしまっていると、「あいつは生意気!」という感じで後先のことが見えなくなってしまうから、破壊行為が止められない。
嫉妬で破壊的な人格に変身した上司の攻撃によって、優秀な部下が見事にやる気をなくしてしまって、仕事ができない人間にされてしまいます。
さらに、えこひいきをされている同僚がいい気になって、優秀な部下にマウントを取ってきたときには、優秀な部下は「もう嫌だ!」という感じで仕事を投げ出して辞めたくなってしまう。
それは上司の嫉妬の攻撃に、見事にハマってしまっている状態だったりするのです。
「あなたが同僚に嫉妬してるだけでしょ」と思われてしまう
こんな上司に出会ったことの最大の悲劇は、「この惨状を誰にもわかってもらえない」ということ。
えこひいきをしている上司のことを、「あの人って、Bさんばかりえこひいきしてるよね!」と誰かに訴えても、「あなたがひいきされている同僚に嫉妬しているだけでしょ」という感じで接されて、よけいにみじめな気持ちになってしまう。
第三者には「上司が嫉妬で攻撃している」ということが一切わかってもらえないから、「泣き寝入りするしかないのか?」となってしまいます。
普通の人は「そんな上司は無視すればいいじゃない」と言ったりするのですが、嫉妬で破壊的な人格になっている上司のえこひいきの攻撃を無視するのは、不可能と言っても過言ではありません。
そんな上司のせいで転職を考えるのも癪で、身動きが取れずにどんどん疲弊していって無気力になってしまう人もたくさんいるのです。
破壊的な上司に出会えたらラッキー!?
でも、こんな上司に出会ってしまったのは、実は幸いなのかもしれません。
なぜなら「自分が何をしたいのか?」ということを見つめ直すことができるから。
破壊的な上司に出会ったら、「自分は何のために仕事をしているの?」という感じで問いかけてみるといいです。
上司から認められるために仕事をしているの?
それともキャリアアップをして年収を上げて優雅な生活を送りたいから仕事をしている?
「何のために仕事をしている?」と問いかけたとき、「人に認められるために仕事をしている」という人が、こんなえこひいきをするような上司と出会うことが多いのです。
なぜなら、「両親と自分との関係を繰り返しているから」です。
上司との関係は「親との関係」を再現している
「両親から一切認めてもらえなかった」という経験があると、どうしても自分のことを認めてくれる人ではなくて、認めてくれない人のほうに気持ちが向かってしまいます。
それは、「認めてくれない人が親である」と錯覚を起こしてしまうからです。上司に親を無意識に重ねてしまうと、「どうして認めてくれないの!」と上司に怒らされて見事に破壊されてチャンスを奪われてしまう。
「何のために仕事をしているの?」と問いかけてみると、「親との関係を上司との間で再現しているのかもしれない」ということが見えてきます。
「おぉ~! 上司に親を重ねていたからこんなことになっていたんだ!」と腑に落ちると、上司と自然と距離が開けられるようになります。
自然と距離を空けられるようになると、上司のほうから媚を売ってきたりしておもしろいことになっていきます。
えこひいきをする上司にイラっときたら、「私は何のために仕事をしているの?」と自分に究極の問いかけをしてみるいいチャンスなのかもしれません。
そこから、これまでの生き方や働き方が変わる可能性があるんです。
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♦︎大嶋信頼さん著書の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、日頃から感じている不安やストレスを消し、ぐっすり眠る方法を紹介しています。