短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。注目の最新刊『チームX(エックス)』は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」(神田昌典氏)と評され、デビュー作『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」(人気会計士)と絶賛された。そして今、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。本稿では【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された本書から一部を抜粋しながら、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

遅咲きのリーダー「ガンジー」はなぜ、60代から活躍したのか?

今こそ「ガンジー」に学べ

 リーダーとしての才能が20代に開花する人もいれば、70代で開花する人もいる。

 たとえばガンジー(1869~1948)だ。

 ロンドンで弁護士資格を取得後、22歳で故郷インドに戻るも、あがり症のために法廷で論述できなかった。

 裁判の相手を思うやさしさと緊張から言葉が出ず、法廷から逃げ帰ったため、「弁護士失格」の烙印を押されたという逸話が残っている。

 その後、24歳のときに南アフリカへ渡った。

 当時はイギリスの植民地であり、多くの人が差別を受けるのを見たり、自分自身も屈辱的な扱いを受けたりした。

 一等列車に乗っていたが、駅員に「おまえは貨物車に乗るんだ」と言われた。

 ガンジーは「一等切符を持っている」と断るが、警官によって無理やり列車から引きずり下ろされた。

 この話は『ガンジー自伝』(中央公論新社)に詳述されている。

 南アフリカでの仕事は21年に及ぶが、その間に公民権運動に参加するなどして少しずつ成長していく。

 インドに戻りイギリスの支配や不正義に対し、非暴力での抵抗活動を行っていくのは45歳以降であり、塩の行進後に逮捕されるなど、独立運動の中心として活躍するのは61歳以降だ。

 偉大なリーダーが元々カリスマであるというわけではない。

 若いときは平凡でも、さまざまな経験を経て、リーダーへと成長する。

 人間、いつ花が咲くか、わからないのだ

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)