日本の大型車の構図は、来年24年の日野自動車と三菱ふそうの経営統合により、いすゞ・UDトラックスとの3社2グループに集約される。

 その中にあって、2024年問題対応など、物流・商用車関連の協調と競争に向けてどうリーダーシップをとっていくか、自工会新会長としての手腕が期待される。

 また、豊田章男自工会の置き土産となったJMSの次回以降の方向については、片山次期会長は「今回のJMSは大成功だったが、いろいろな苦労と心配の中で『世の中が求めていた』ことを感じた。スタートアップが100社を超えて参画するなどせっかく火がついたのが2年に一度でいいのか、自工会だけでなく、経団連なども含めて具体的に議論していきたい」と述べて、毎年開催に含みを持たせた。

 さて、これにより自工会会長の後任に片山会長が決まったわけだが、豊田章男会長が3期6年の任期を全うする形ではなく、来年1月に片山自工会体制が始動することになった。本来の会長任期は来年5月までだ。

 これは2024年問題という喫緊の物流・商用領域への対応が必要だということで、迅速な切り替えを図ったためだ。実際のところ、片山新会長を支える副会長陣も現在の6人が続投する。メーカー首脳らのフルラインアップを継続して、チーム体制を強固なものとする狙いだ。24年5月の自工会役員人事は、片山会長とトヨタの佐藤恒治社長が入っている6人の副会長陣が再任する形で継続することになろう。

 豊田章男会長が今回、二度目の登板による5年間の任期で、自工会の正副会長・理事会体制と各委員会の改革を断行し、事務局組織改革にも音頭を取り、モビリティ産業を支える業界団体としての土台をつくったことへの評価は大きいものがある。

 その豊田章男会長自身の去就だが、本人は「今後、『モリゾウ』としても自動車が元気につながる活動をしていきたい」と語ったが、周囲はむしろ経団連活動への期待が大きい。今回のJMSの成果も、22年6月に豊田章男会長が声がけして新設された経団連モビリティ委員会(委員長=十倉雅和経団連会長、豊田章男トヨタ会長、有馬浩二デンソー会長)の協力があってこそのものであり、次回以降の経団連の支援・協力が期待される。

 過去トヨタからは今年に逝去された章男会長の父君、豊田章一郎氏がトヨタ会長として8代目経団連会長(1994年5月〜98年5月)を務めているが、そこから約25年が経過している。「自動車からモビリティへ」をキーワードに日本経済における存在感が高まる中、豊田章男トヨタ会長の“財界総理”としての発言力・行動力への期待が強まろう。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)