ネット広告事業が成熟してきてインフルエンス力を高めたインフルエンサーが、タイアップ広告をとってきたりその延長で物販したりするだけでなく、事業を積極的に立ち上げようとしている様も印象的でした。(アマチュア総合格闘技の)ブレイキングダウンなどです。今後はインフルエンス力を高めるだけでなく、トラフィックや単価に依存する広告事業や物販だけではない、オリジナルな事業開発能力がインフルエンサービジネスには必要になってくるのでしょうか。

2022年に注目した・盛り上がったと感じる領域、テーマ、テクノロジー、プロダクトなどを教えてください。

・クレジットカード
UPSIDERやバクラクビジネスカード、メルカードにPayPayカード/PayPayカード ゴールド、NudgeやB/43など、いろんな角度でクレジットカードビジネスに乗り出す企業が増えました。各社でのクレカ事業の位置付けはそれぞれ違いますが、雑にいえばクレジットカード全体が盛り上がったと思います。他の事業もやっている会社がエンベデッド・ファイナンスを展開するための基盤作りとして、わかりやすい方法の1つがクレカを発行するということなのだと捉えています。

・TikTok
TikTokの視聴時間の世界的な伸び、すごいですね。中毒性が怖いくらいです。私も投資家の端くれとしてこれを事業機会にどう活かすか考えることはありますが、イチ生活者や親の立場からすると、これが加速した社会の怖さも感じています(受け身でダラダラと一方的な動画を見続けて洗脳させるリスクなども)。

・Podcast
視聴時間の伸びとかデータはあまり出てないですが、私個人は隙間時間に聞くことがめちゃくちゃ増えました。今後も爆発的に伸びていくと思います。「スタートアップ オフレコ対談」という当社がやっている番組の視聴もおかげさまでかなり伸びました。スタートアップNo.1 Podcastにすべく、コツコツ継続的に、飽きずに、良質なコンテンツを「企画して」「制作して」「運用する」という3つを意識して実行していきたいと思います。

2023年のスタートアップシーンや投資環境はどのように変化すると予想しますか。

ベンチャーキャピタルにとって「変えられること」で「変えるべきこと」は、とはいえそんなに多くはない印象なので、各社マインド的には「やや厳選傾向」としながら、コツコツと投資実行を続けていく1年になるのではないでしょうか。少なくとも当社はそうです。レイターステージについての話は他の方も書くと思うので割愛します。

メディアのキングが変わる、インフルエンサービジネスの肝が変わる、クリエイターや演者が大移動する、その交差点で面白い、ユニークな取り組みが増えてくると思います。いろいろなエンターテインメントが生まれてくると思うと、個人としてもとても楽しみにしています。