SPOSHIRUでは中西氏が「スポーツ版の@cosmeのようなイメージ」と話すように、コンテンツの配信だけでなく、ユーザーがスポーツ用品のレビューを投稿できるCGMの仕組みを実装していく方針だ。
D2Cブランドについては靴下やサンダルなどフットケア領域のラインナップを増やすほか、「かなり引き合いがある」(中西氏)というゴルフ用途に特化したインソールの準備も進める。
商品の拡充以外では機能性に関して科学的なエビデンスを示すための研究開発や、さらなるデータ活用に向けた仕組み作りにも力を入れていく予定だ。
たとえば一部のアスリートとは足をスキャンして詳細なデータを取得し、オーダーメイドのインソールを開発するような取り組みも行なっている。中長期的にはECサイト上に診断コンテンツを設け、ユーザーごとに「既存の商品で十分に対応できるか」「オーダーメイドが必要か」を診断しながら、個々に合ったインソールを提案することも視野に入れている。その点、TENTIALのプロダクトはSPOSHIRUもECサイトも全てフルスクラッチで開発しているため、柔軟にカスタマイズできるのも自社の強みとのことだった。
こうした取り組みを加速させながら、ネット発のスポーツウェルネスメーカーとして様々な領域で事業を展開するのが会社としての目標だ。中西氏はカナダ発のスポーツブランド・lululemon(ルルレモン)を1つのベンチマークに挙げながら、今後の展望について語る。
「自分たちの強みはスポーツの技術やノウハウを、一般消費者の生活に転用していく仕組みだと思っています。最先端を行くスポーツ医学の先生やアスリートとのネットワークがあり、そこから生まれた商品をネット上で流通させるための基盤もまさに今磨いているところ。同じ仕組みを食品やサプリメントに広げたり、健康やウェルネスを軸にした住まいを手がけたりすることもできると考えているので、まずは服の領域で機能性の高いブランドをしっかりと確立させることが目標です」(中西氏)