郵便物の転送やスキャン依頼をワンクリックで

atenaでは郵便物の受け取り方法が2つ用意されている。1つが自社用の“クラウド住所”を発行する方法、そしてもう1つが本社オフィスなどの郵便ポストからateneのスタッフに回収してもらう方法だ。

クラウド住所を発行するやり方はバーチャルオフィスなどの仕組みに近い。取引先にその住所を伝えておくことで郵便物が直接atenaに届くようになる。

ただ、この場合だと取引先の数が多い大企業にとっては住所変更の負担が大きい。そこでatenaでは一度オフィスのポストなどに届けられた郵便物を後からスタッフが回収するオプションを設けている。この回収オプションを使えばユーザーは住所を変えることなく、郵便物の管理を代行してもらうことが可能だ。

どちらの方法にせよatenaの元に届いた郵便物は1つ1つ写真とともにサービス上にアップロードされる。ユーザーは「転送」「破棄」「スキャン」の3つの選択肢の中から、各郵便物の内容を踏まえて必要なアクションをワンクリックで選べる仕組み。特に「中身のスキャン」は既存の類似サービスと異なる、atenaならではの特徴だと白髭氏は話す。

atenaの郵便ボックス画面。届いた郵便物は画面上ですべて管理でき、ワンクリックでスキャンや転送の依頼も可能だ
atenaの郵便ボックス画面。届いた郵便物は画面上ですべて管理でき、ワンクリックでスキャンや転送の依頼も可能だ
郵便が届いた際にはLINEやSlackで通知を受け取ることができる
郵便が届いた際にはLINEやSlackで通知を受け取ることができる

スキャンを依頼したものはatena側で開封・スキャンされ、そのデータをクラウド上でいつでも見られる状態になる。インターネットにアクセスできる環境であれば、本社に届いた郵便物を自宅や別の拠点からでもチェックできるようになるわけだ。

「バーチャルオフィスなど似たような仕組みもありますが、そこにテクノロジーを掛け合わせることによってもっと便利な体験が作れるのではないかと考えました。郵便物を手元で見るとの同じくらいの情報量をネット上で確認できて、メールと同じように通知を受け取るだけ、つまりあくまで受け身で利用できるのがポイントです」(白髭氏)

スキャン依頼をすれば、郵便物の中身をatena上でいつでも確認できる
スキャン依頼をすれば、郵便物の中身をatena上でいつでも確認できる

これらの基本機能に加えて、本日から法人向けの新機能がいくつか搭載された。

従来は主に個人利用を想定していたため、法人がatenaを利用する場合にも1つのアカウントを複数人で使い回す形になっていた。この仕様では「いつ、誰が郵便物を操作したのか」を把握することができず、それが監査の観点でネックになることもあったという。

そこでatenaでは社員1人1人にアカウントを発行し、スキャン依頼やデータ削除などのアクティビティの履歴を確認できる機能を実装。部署や部門を設定しておくことで、郵便物を自動的に該当するチームに振り分ける仕組みも取り入れた。