こうした「総務のリモート化」文脈でのatenaの活用はかなり増えてきていて、事業会社やコンサルティング企業、税理士事務所など幅広い業種で導入が進んでいるそう。atenaを使えば、特別な場合を除き基本的に「郵便物のための出社」が 不要になる。
2500万円の資金調達も実施、年内500社への導入目指す
atenaはもともと創業者である白髭氏の体験から生まれたプロダクトだ。
白髭氏は以前ニュージーランドに居住しながら日本の仕事をしていたため、日本の拠点・自宅に届く郵便物を同僚や家族に写真に撮って送ってもらいながら処理をしていたそう。自分に限らず似たような理由から郵便物に課題を感じている人が一定数存在すると考え、昨年日本に帰国したことを機にatenaの原型となるプロダクトの開発に着手するとともに一足早くランディングページを公開した。
すると個人、法人を問わずすぐに十数件の問い合わせがきたため、それ以降は具体的な課題点や要望をヒアリングしながらプロダクトを磨いてきたという。
「コロナの影響で自分たちの開発しているサービスが『あったら便利なもの』というよりも、『今すぐに必要とされるニーズの高いもの』になったと感じたので、当初の予定よりも前倒しでリリースを決めました」(白髭氏)
想定していた以上に法人からの引き合いが多く、週に数十件単位で問い合わせが増加。継続的なサービス運営のためにはしっかりと収益を上げられることも必要なため、サービスを法人向けにシフトすることを決断した。サービス拡大のための軍資金として、Coral Capitalを引受先としたJ-KISS型新株予約権方式により2500万円の資金調達も実施している。
今後は開発・オペレーション体制を強化するとともに、引き続きセキュリティ面への投資や機能拡充にも力を入れていく計画。他サービスとのAPI連携や物流連携などもすでに水面下で動いているそうで、PoCにも取り組む予定だという。