西川:それまで平均年齢がずっと26.7歳くらいで、それを売りにしてやっていたんですけど、Pairsが大きくなっていって、社会的に責任が重くなってくるサービスになると思ったんで、大人を入れていかないといけないと考えたんです。

年齢的に経験的に大人であることと、当時のカルチャーやメンバーたちとマッチすることを考えた時、私が間に入ってコミュニケーションの通訳的なことをやろうと思ったんです。「この人がここの組織図のここに入ってくれたらきっと上手くいくはず」と何人か入ってもらったんですが、やはりスペック重視でカルチャーをほぼ見ていない。見ていないでスペックだけが高くても、結局それが全くワークしないというケースがいくつかありました。

でも結局、理想は高く「スペック+カルチャー」マッチ。どちらもが必要だって分かったんです。そういう人を執念深く探して、会社に入ってもらうように変えたから、その後は割とスペックもあり、エウレカのことを分かってくれる人が増えましたね。

赤坂:こういったことが今の僕らは割と整理されてるじゃないですか。スペックが高いとか、カルチャーマッチがどうとかって話はね。だからいいですけど、あの当時ってそんなこと考えてなかったのはやっぱり未経験すぎたんですかね。

西川:考えてなかったね、全然。今でこそ言語化できてるけど、当時はこんなに言語化できてなかったですし。

言語化する、頭の中でたぶん話せば言語化できたと思うんだけど、その時間もないからこっちはこっちでこうだろうなと思ってどんどんやっていって、自分の頭の中だけでアウトプットとして吐き出して、言語化して、共通認識を持つ、みたいなことを全くやってなかった。

赤坂:レイヤーが低すぎたんじゃないのかなとも思います。そもそも一度任せたら任せきらないと中長期では無理になるっていうのをうっすら感じているとしても、任せないってやばすぎますからね。「任せるために考える時間」すら取れないっていうか。いかに短期的な経営をしていたのか。事業がグロースさえすればOKで、後はもう余った時間で組織を頑張るみたいな感じになってしまっていたのかもしれません。

西川:本当は事業グロースを任せて、組織や経営の3年後、5年後を考えるということをやらなきゃいけなかったですけど。

赤坂:ありえないのは採用担当もいなくて、広報担当もいなくて、2人で全然やっていた。もうバックオフィスっていう概念もなかった。