西川:してきたって私だけがしたみたいな。
赤坂:いやいや、僕はコミュニケーション取ろうという気があってオフィスに来る西川さんに「おはよう」って言うんだけど、もう鬼無視するみたいなのがあったんで。あれはめちゃくちゃテンパってたんだろうなって。
西川:いや、忙しかったんだと思うよ。お互いプレーヤーとして忙しすぎて。で、俯瞰して会社を見られてないからイライラするし、赤坂くんがちょっとでも暇そうにしていると「もう、私昨日2時間しか寝てないんだけど、どういうこと?」みたいな感じになっていました。逆に私にイライラするとかもあったんだと思うんですけど。
その時あったのが、「経営者ボトルネック問題」。早く解決すればよかったのにずっと2人が現場のことをやりすぎて、ミドル層を育てるとか採用するっていうところを疎かにしてた期間が長すぎたんです。2013年くらいかな。Pairsが始まってから、会社のボトルネックが「経営者」になっている状態だったのでそう名付けたんですけど。
私たちが意思決定を全てするもんだから、私たちがしない意思決定に対して、その下にいるメンバーたちがずっと待っている状態になる。それでどんどん空き時間が出るというか、決まらないことが多すぎて、なのに時間がなくて。メンバーたちが正しく動けないっていう状況が続いていたんです。全社会議でも「うちの会社には経営者ボトルネック問題があります。赤坂くんと私のせいで、会社が今決めなきゃいけないことができてない。中間管理職とかミドル層を育てていかなきゃいけないんで、みんな頑張って育ってください」みたいなことを結構毎月言って、ごめんなさいって謝っていたよね。
赤坂:意思決定が遅れているので現場が動けない状態ですね。
西川:そうですね。「自分たちがやる現場の意思決定が一番正しい」と思っていましたからね。早いし正しいと思っていたけど、結局1日24時間しかお互いないし、意思決定できる数が決まっちゃうってなるとどんどん課題がたまっていって、また次の日になるとまた課題が増えてどんどん解決できていないことが増えてイライラしてケンカするみたいな。
赤坂:意思決定の思考プロセスに自分というか経営陣が入るのか、もしくは意思決定の思考プロセスは誰かに預けて、意思決定だけをするのか、これってかかる時間が全然違うじゃないですか。
前者は多大な時間がかかるんですけど、後者は意思決定するだけなんで究極的には「イエスorノー」で全部言えるところ。僕らの場合って思考プロセスを自分たちで巻き取ろうとしてたんです。なぜならばその方が(意志決定の)精度が高いと。ただこれって、80点なのか100点なのかぐらいの違いしかないんです。5分の4を5分の5にする、そのパフォーマンスのために時間を使っていました。だけど今思えば、思考プロセスは誰かに預け、意思決定だけをやることにして捌く数自体を5倍にすれば、もう圧倒的にパフォーマンスが向上したはずなのに当時は気付かなかった。未熟すぎましたね。