西川:Pairsにすると決めたときは、Pickieや他の事業がうまくいかなかった時期だったので、いろいろ条件を決めたの覚えてて。半年で必ず単月黒字化するっていうのと、1年以内に全額投資額が回収できるかどうかみたいなところをある程度決めた上で事業をやる。それが受託の売り上げ全部カバーできるのか、と。受託の売り上げがカバーできるぐらいの伸びが見えるものだけを前提に考えようと言って、2つ思い付いたうちの1つがPairsでした。
意志決定が遅れる「経営者ボトルネック問題」
西川:自分たちの会社だから自分たちが好きにやろうっていうのを合意形成して、それ以外のことは別にあんまり気にしなくていいんじゃないっていうところが合致してからは、赤坂くんはあまり迷わなくなったというか、意思決定がぶれなくなった気がします。
赤坂:僕らってメンターみたいな人たちがいないから自分たちで失敗してかすり傷にして、大失敗はしないようにしてきたじゃないですか。だけど、会社が大きくなってくると意思決定を間違うことによるミスの規模が大きくなると思うんですよね。
50名くらいの規模になって、カルチャーマッチをあまり重視せずにスキルがある人をとろうと思ったのって、たぶん漠然と僕らの中にある将来的に起こりうる未知の課題に対するソリューションを先手で打とうとしたんですよね。僕らが空想で課題を先に作ってそれに当てていったんです。だからフィットしなかった。
今思うのはああいう時にこそ、すでに1周している経営者の人たちが周囲にいて、僕らの今の課題を伝えて「それはね、こうだよ」って(アドバイスを)言ってくれてたらよかった。そうしたらあの遠回りはやらなくてよかったなって。
西川:そうですよね。本当に誰にも相談してないもんね。
赤坂:上場するのかM&Aするのかっていう見当も、協議自体も、僕らの先行き、僕らがしてない未知な経験に対する不安から意思決定を急いだと思うんですよね。だからメンターは絶対いた方がいいなと今は思っています。
赤坂:恵比寿にオフィスを移して以降(50名規模になったミドル期以降)の意思決定は、未知の経験に対する恐怖から行っていることが多いと思います。僕らも会社の規模が大きくなってるんでちょっとだけふわふわしているというか、課題の全容を掴めてない。
「あのボールもこのボールもあるよね」と思っていて、それらが落ちているのは分かっているんだけど、整理して「これはどういう風に解決すればいい」って落ち着いてできてなかったから、ふわふわしてた。本来であればもっと僕らが落ち着いて、組織を整理してこの課題に対する適切な打ち手はこうで、こういう人材が必要っていう要件定義までをやって、それを採用に落とし込んで、広報に落とし込んでいれば半年ぐらいで全部解決したんじゃないかなって思うんです。たぶん僕らはテンパっていたんですよ。めっちゃケンカしてたじゃないですか。毎日。っていうか1週間無視とかしてきたじゃないですか。