「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在、国内・海外で約15,000名が実践。東洋医学をベースに鍼灸、整体、ヨガを構成した動きで、痛み、コリ、冷え、疲労、不眠、便秘、不定愁訴を解消。他にも、「気がつけば健康的にスリムになっていた」と評判です。
今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた
『すぐできる自力整体』が発売。症状別の「悩み解決ワーク」のほか、じっくりほぐして骨盤調整もできる「4つのコース(動画つき)」、「自力整体ダイエット」に成功した11名の体験談も収録。
本書より一部を抜粋・編集し、その中身を紹介しましょう。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】硬くてやせにくい人はやってみて。ゆるめて自然にスリムになるワーク

体を柔らかくしたら減量成功! 更年期不調や喘息も改善したCさん

自力整体では、「体重を落とすことばかりを気にしてはいけない」と指導しています。痛みや不調を改善するプロセスの中で、自然と適正体重に戻っていく、という考え方です。
食事制限など偏ったダイエットは、脂肪とともに、筋肉量も減少します。すると、運動器に疾患が現れ、骨格もゆがみやすくなります。とくに腰痛、ひざの痛み、股関節の痛みは、筋肉がやせてくるときに起こりやすいのです。

『すぐできる自力整体』の執筆と同時に、自力整体ダイエットを体験していただけるモニターさんを募り、13名の方に3ヵ月間、「自力整体」と「*整食法」を実践していただきました。
【*整食法:つらい痛みや不調の改善、ダイエットしたい時に役立つ自力整体の食事法。内容は、夕食は寝る3時間前までに終わらせ、朝食は固形物を控え、飲み物、スープ、おかゆなどにするなど、なるべく胃腸の休息時間を増やして、体を立て直すのが目的】

開始から3ヵ月後、体験者のみなさんは見事に変わりました。骨格のゆがみが解消されると、余分な脂肪が落ち、ボディラインは以前に比べてスッキリ。関節も柔らかくなり、スムーズに開脚前屈ができるようになった方もいらっしゃいます。

しかし体が硬い方や、筋肉質で固太りといわれる体型の方は、ダイエット企画のスタートから中盤まで、健康的な適正体重に近づくまで、少し時間がかかりました。

とくに体が硬く、固太りが悩みだったCさんには、体を柔らかくほぐすことをメインに、自力整体を実践していただきました。すると見事に減量成功。その内容を紹介しましょう。

<自力整体ダイエット企画の共通プログラム>
・週2回以上、20分間の自力整体(書籍『すごい自力整体』掲載の「20分ショートレッスン」、または『すぐできる自力整体』掲載の「あおむけで骨盤調整20分コース」)を実施
・「整食法」を実施
・週1回、矢上真理恵のオンラインレッスンに参加(90分間)
・矢上真理恵の月1回の個人カウンセリング
・週1回のグループシェアリングと矢上裕(「自力整体」考案者)の質疑応答

<体が硬かったCさん(50代・女性)のダイエット成功例>
とくに体が硬く、固太りが悩みだったCさん。
身長157cmで63.2kg。標準体重からみると肥満ぎみでした。介護や仕事の疲れがたまり、心身ともに疲労困憊。気がつけば体重はどんどん増えていました。
ここ数年、大事な方たちを病気で亡くされたこともあり、自分自身の健康を見直すため、自力整体ダイエット企画のモニターに応募されました。

2ヵ月過ぎたころから、更年期に出やすいとされる「発汗」「めまい」の症状が消え、つらかった「喘息」の症状も出なくなりました。
最初はなかなか減量できず、途中、他のダイエット体験者さんが大幅に減量されているのをご覧になり、不安そうにされていました。

そこで、「Cさんは体育会系のガッシリタイプですから、体の柔らかさを目標にすると、サイズダウンできますよ」とアドバイス。
それからCさんは、体重の増減に一喜一憂することなく、体の柔らかさを目標に、淡々とカリキュラムに取り組んでいかれました。

すると、気がつけば、ボディラインがほどよくサイズダウン。バスト、ウエスト、ヒップはマイナス4cm、体重は3・6kg減量で59.6kgに。Cさんの標準体重に近づきました。
「はけなかったスカートもスルッと入るようになり、いいことずくめです。一生、自力整体を続けていきたいと思います!」とよろこびを伝えてくださいました。

<Cさんへアドバイスしたこと>
Cさんのように、筋肉がしっかりついている方が減量されると、健康的な筋肉まで落ち、基礎代謝や体力も落ちてしまいがちです。体を柔らかくほぐす方法を目指した結果、余分な脂肪だけが落ちて、バランスよく絞ることができました。血流やリンパの詰まりも改善されたことで、介護や仕事で乱れがちだった自律神経のバランスも整い、更年期に出やすいとされる不調や喘息の症状も改善されたのです。

最後にCさんも実践された、『すぐできる自力整体』の中で紹介している「あおむけで骨盤調整20分コース」の一部をご紹介しましょう。

【整体プロが指南】硬くてやせにくい人はやってみて。ゆるめて自然にスリムになるワーク矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗