総予測2024#2Photo:JIJI

米国の利上げは現状水準で打ち止めとなり、2024年春から夏に利下げが始まりそうだ。ECBも24年には利下げに転じる。一方、日本銀行はマイナス金利解除に踏み切るだろう。特集『総予測2024』の本稿では、日本と欧米の金利差が縮小すると見込まれる中、24年の対ドルレート、対ユーロレートを8人の為替のプロに予想してもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

対ドルレートの動向を決めるFRB
春から夏に利下げを開始

 円の対ドルレートの2024年の動向を決める最大の要因は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げの時期と幅だ。

 その判断に影響する景気は減速の兆候を見せている。23年10月の米国の求人件数は、21年3月以来の水準に低下した。23年11月の非農業部門の雇用者増加数は前月比4万9000人増の19万9000人と市場予想18万人を上回ったものの、平均で30万人台半ばだった22年後半と比べれば水準は低下している。

 インフレも鈍化してきた。消費者物価指数の上昇率もピークを付け、23年6月以降11月まで6カ月連続3%台で推移している。

 下表にみるように、米国の政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートは、現状の5.25~5.50%がピークとアンケート回答者全員が予想している。

 利下げの時期は24年春から夏というのが大勢。佐々木融ふくおかフィナンシャルグループチーフストラテジストと唐鎌大輔みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト以外は24年内の利下げを見込む。景気減速、インフレ鈍化の程度の大きさが時期の早さ、幅の大きさを決定することになる。

 では、米国の利下げを踏まえて、円の対ドルレートはどう推移するのか。対ユーロレート予想も含めて、次ページから為替のプロ8人へのアンケート結果を基にひも解いてゆく。