ユーザーが無理なく毎日継続できるよう、30分のレッスン動画を7本用意した。部位にフォーカスしたトレーニングが流行っているため、各プログラムは「お尻」、「お腹」、「脚」などを重点的に引き締める内容になっている。「腕立て伏せは膝をついても可」、など、強度についても日本人に合わせている。

 また、ダンスのようなエクササイズが流行っているため「楽しい要素」も取り入れたり、なるべく情報量を抑えたスマートフォンでも見やすい仕様にするなど、工夫は尽きない。また、LEAN BODYで用意した楽曲では「ヒットしない」と指摘したブランクス氏は、自らプログラム中に流れるBGMを制作した。BGMをよく聴くと、「LEAN BODY」、「REIWA」とブランクス氏が歌っているのが聞こえる。

 4月11日の配信開始までは睡眠時間を削り作業していたという鞍立氏。「辛い時こそ楽しもう」といったブランクス氏のセリフは大きな心の支えになったという。

 リリース前から告知を行なっていたところ、会員数は急増し、テレビからの問い合わせがあるなど「確実にヒットする」前兆を感じた。中山氏から「(鞍立氏)だからこそ成し得た。これは会社の景色を変えるコンテンツになる」と長文のメッセージが届いたことからも、大きな達成感を得られた。

 鞍立氏は「もちろん、配信を開始してホッとしたというのはある。だが、これからどのようなプロモーションを行うのか、次のヒットコンテンツはどのように生み出すのか、考えなければならない。新型コロナウイルスの感染が拡大し、自宅で利用できるフィットネス向けコンテンツのニーズは高い。ビリーズブートキャンプだけではなく、様々なコンテンツを作り、ユーザーにサービス利用を続けてもらいたい」と意気込む。

 令和版ビリーズブートキャンプはYouTubeでも「5分版」が公開されており、6月24日にはDVDが発売開始される。

「令和版」配信開始でユーザー数は16倍に

 LEAN BODYの代表取締役・中山善貴氏によると、令和版ビリーズブートキャンプの配信開始以来、登録ユーザー数・再生数はともに急上昇。ユーザー数は2月から約16倍に増えた。令和版ビリーズブートキャンプは配信開始日から6日間で約2万1000回再生されたという。

「新型コロナウイルスが感染拡大に伴う外出自粛。運動不足が懸念されているので、社会に貢献できていると思っている」(中山氏)

ビリーズブートキャンプが人気再燃、復活を仕掛けたスタートアップの奮闘鞍立寛子氏(左)ビリー・ブランクス氏(中央)中山善貴氏(右) 提供:LEAN BODY

 LEAN BODYは2015年12月設立のスタートアップだ。当時の社名はワンダーナッツ。2017年6月には総額5000万円の資金調達を発表。ベンチャーキャピタルのANRIやSkyland Ventures、そしてCandle 創業者の金靖征氏、キープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏氏などの個人投資家が引受先として参加した。