成功事例だけでなく失敗事例も出してほしい
なぜなら「失敗は成功のもと」だから
「知識伝承のAI化」ツールの精度を高めるには、成功事例だけでなく失敗事例もデータソースとして取り込む必要がある。
「社内にはこれまでの研究成果をまとめたデータベースがあります。ここには成功事例がたくさん載っているのですが、失敗事例となると正直あまり出したくないもので、研究員の手元に残っていたりすることも。それらを含めて活用できるよう、『あなたにとっては失敗かもしれないが、他の研究員にとっては貴重なデータなんだ』と地道に働きかけているところです」(藤原さん)
ハルシネーション(AIがつく、もっともらしいうそ)に惑わされるようなことはないのだろうか。デジタル戦略部の百合祐樹さんは、「まだまだ課題はあるものの、解決の糸口は見えてきた」と語る。
「今回の検証で実感したのが、自分が知りたい情報を自然言語できちんと指示できれば、情報としてある程度まとまったものが検索上位に挙がってくるケースが多いということ。また、複数の資料にまたがって要約することで、ある意味ファクトチェックに近いことができる。最終的には研究員が実際のドキュメントを見ておかしいと判断できるので、多くの間違いは回避できると思います」