編集者一同の声明には「肝心なところが足りない」

 いろいろなご意見があるだろうが、報道対策アドバイザーとして、これまでさまざまな不祥事企業の「声明」の作成に関わってきた経験から言わせていただくと、あの声明には「肝心なところが足りない」ことが大きい。

 具体的に言えば、「現場の編集者が会社と闘いながらも強い意志をもって発信したメッセージ」という前提であるにもかかわらず、「会社のスタンス」とトンマナを合わせすぎてしまっていた。それにより、「作家を守る編集者」が本来なら発信するであろうメッセージがゴソッと抜け落ちてしまっているのだ。

 断っておくが、「会社のスタンス」と合わせたからけしからんなどと言うつもりは毛頭ない。企業にお勤めの方ならばわかると思うが、今日においてホームページに掲載するプレスリリースや声明などは、担当者だけでなく、法務や顧問弁護士のリーガルチェック、さらには経営層などの二重三重のチェックも受けて発信される。上場企業の場合は株価に直結するし、非上場でも訴訟リスクなどに発展する場合もあるからだ。

 今回の「編集者一同の声明」も然りだ。「これは、編集者が考えた文書なので勝手に手を加えないでアップしてください」なんて話が、あれほどの大企業で通るわけがなく、経営幹部や法務のチェックや修正を経て発信されたものである可能性が高い。それは悪いことではなく、社会的責任が求められる企業として当然のフローだ。

 問題はそんなチェックや修正を重ねているうちに、「会社のスタンス」が強くなりすぎて、先ほどの雷句誠氏が述べたように「肝心な部分を誤魔化している」という印象になってしまったことだ。

 では、どのあたりが抜け落ちてしまったのか。