イオン色が強まると
WAON POINTにシフトする?
ドラッグストアの統合というと、2021年のマツモトキヨシとココカラファインのそれが思い浮かぶ。今やココカラファインの店内にはマツキヨのPBが並び、貯まるポイントも「マツキヨココカラポイント」にまとめられた。もし、ウエルシアとツルハグループが統合されたら、果たしてどうなるのだろう。
現在ウエルシアで貯まるのはTポイントだ。それに加えて、イオングループということもあり、WAON POINTもたまる。対して、ツルハグループではツルハポイントと楽天ポイントの両方がたまる。
どのポイントをメインに使っているかは利用客それぞれで違うため、これが変更となると消費者への影響は大きいだろう。実際に、3月1日にウエルシアはポイントサービスの変更を発表した。その内容は、TポイントからWAON POINTへのシフトチェンジである。
その原因はTポイントだ。Tポイントは4月22日に三井住友グループのVポイントと統合し、名称もVポイントとなる。こうなるとウエルシアはやりにくい。なぜなら、Vポイントは三井住友カードの決済で貯まるポイントでもあり、親会社イオンにはイオンカードというクレジットカードがあるからだ。
Vポイントとなった旧Tポイントを優遇するのは、いわば敵に塩を送るようなもの。徐々に距離を置くだろうと思っていたが、予想が当たった。
2024年5月以降からはウエルシアでの「月曜2倍デー」「店頭ボーナスポイント」等はWAON POINTのみが対象となり、毎月20日にポイントで1.5倍分の買い物ができる「お客様感謝デー」通称“ウエル活”も、9月からは旧Tポイントは外れ、WAON POINTのみとなる。
この変更を見ると、ツルハグループのドラッグストアのポイント戦略にも大きな変更がありそうだ。ツルハポイントと楽天ポイントがダブルでたまるのが現状だが、楽天市場で物販を行い、ネットスーパー事業も手掛けている楽天は、イオンにとってはライバル関係といえる。
また、グループ金融のイオン銀行はマネックス証券との提携を2024年から本格的にスタートした。イオンカードでの投信積立も視野に入っている。楽天グループには当然ライバルとなる楽天カードそして楽天証券があり、併存は厳しいだろう。
ウエルシアとの統合が具体化すれば、楽天ポイントとの関係はフェードアウトしていくだろう。ウエルシアと同じく,WAON POINTがツルハのメインポイントとなっていくと考えていい。楽天経済圏を活用している消費者は今後のニュースに気を付けたい。