書影『東大教授が語り合う10の未来予測』『東大教授が語り合う10の未来予測』(大和書房)
瀧口友里奈 編著

暦本 そうですね。でも「全世界の情報はインデックス(検索)されるべきだ」っていうビジョンはやはりすごいと思います。

瀧口 ロボットはどうですか。2022年にテスラ社が人間型ロボット「Optimus(オプティマス*5)」を発表しましたよね。日本人からすると、ロボットってドラえもんのような可愛らしいイメージがあると思うんですが、マスクの発表した映像を見たら、そのロボットは身長が高くてスラッとしていたので、あくまで私はですが、「ちょっと怖いな」という印象を持ちました。

*5[Optimus(オプティマス)]
「テスラ」が開発した二足歩行の人型ロボット。2022年にプロトタイプを発表し、現在はテーブルの上にあるモノをつかんで持ち上げて、別の場所に移動させるなど単純な作業をこなすことができるようになった。将来的には雑用をこなすメイドのようなロボットになるという。

加藤 人型ロボットのヒューマノイドは、もともと日本が開発のトップにいたはずなんですよ。日本人のロボットのイメージって人型ですからね。逆に世界的には「別に人型である必要はないでしょ。脚は車輪とかでもいいじゃん」っていう感じでした。日本人研究者のヒューマノイドに対する熱は、最近少し落ちているかもしれませんが、マスクがヒューマノイドを作ったことで、これから盛り上がるかもしれません。日本は、これまでの研究の蓄積があるので、色々と面白くなるんじゃないでしょうか。

合田 マスクは日本のアニメが大好きなんですよね。それが影響しているのかもしれないですね。

加藤 確かに。車の自動運転技術もそうかもしれませんが、アニメなどのSFの世界からイメージしている可能性はありますよね。