これは、断熱されていない部屋が寒くなってしまうことが一因と考えられ、二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓が採用されている住宅の割合は21.1%(住宅・土地統計調査)で、低い方から11番目となっている。

ヒートショック死者数が
香川県で多く北海道で少ない意外

 香川県と言えば、瀬戸内海の温暖な気候を想像するが、それが過信と装備不足を招いているのかもしれない。なぜなら、北海道はヒートショックの死者数が沖縄に次いで2番目に少ないからだ。居間の室温が平均19.8度と高く、断熱性能の高いサッシ・ガラスも81.6%と最も高いため、冬場の死亡率が高くなる割合は111.9%と5番目に低くなっている。寒冷地は入念な寒さ対策が必須要件だけに、それが奏功してヒートショックが少なくなっていると考えられる。

 賃貸が持家よりも短命なのは、賃貸が持家に比して安普請に造られているからであることは間違いないと思われる。大家が自分の家以上の仕様で賃貸住宅を造ったりしないことは、不動産業界では常識だ。実際、最も熱が逃げてしまう窓・サッシにおいて、二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓がついている確率は、持家の38%に対して賃貸は15%しかない(住宅・土地統計調査)。賃貸は持家ほど断熱にお金をかけたりはしない。

 賃貸の中でも最も寿命が短いのは、賃貸アパートとなる。平均余命は20.7年、平均寿命は82.7歳となる。賃貸マンションの平均余命は24.7年なので、アパートとマンションで4年の差となる。

 賃貸の中でも、UR(都市再生機構)のマンションの平均余命は23.0年とやや短くなる。これらも、居間の室温と風呂場の室温が関係している可能性がある。アパートやURでは、風呂場が換気のために外気に近い場所にあることが多いのに対して、賃貸マンションでは外壁に面しない風呂場が相対的に多いものだ。