わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校 2025年入試対応#28Photo:PIXTA

競争が激しくなるにつれて、入試問題も難化していく中学受験。効率的な対策をしなければ、合格はおぼつかない。そこで、中学受験の一流講師陣に教科別の勉強法を聞いた。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#28では、「社会」における、地歴・公民を攻略する「理解を伴う暗記術」の重要性について伝授してもらった。(構成/ダイヤモンド編集部 大根田康介)

社会科の3分野における
それぞれの特徴とは?

 中学受験の社会科は、「地理」「歴史」「公民」の3分野から成ります。

 地理では現在の世界の横の広がりを、歴史では過去から現在に至る縦の流れを、公民では社会の仕組みを学びます。加えて、時事問題(その年のニュースに関する問題)を出す学校もあります。

 地理は、原則として日本地理です。47都道府県の特徴、農業や工業などの産業について詳しく学んでおく必要があります。世界地理は貿易関連、ニュースで注目されている地域など限定的です。

馬屋原吉博馬屋原吉博(うまやはら・よしひろ)/中学受験専門の個別指導教室SS-1副代表。必死で覚えた膨大な知識を入試で使える状態にする指導方法が好評。『今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る』など著書多数。

 歴史は原則として日本史で、旧石器時代から順に学びます。世界史は、日本史に直接的に関わる部分のみが問われます。

 ただし、明治時代以降は「国際社会における日本」という立ち位置の部分が大きくなっていきますので、その分だけ内容が複雑になります。

 1972年の沖縄返還以降の出来事については、出題する学校は偏ります。とはいえ、バブル経済の時期や消費税導入、阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大きな出来事は、どこの学校を受験する子どもにも教えます。

次ページでは、公民における出題傾向について、政治・経済・国際社会・時事という観点から見ていく。また、入試に臨む際の心構えについて説明する。