競争が激しくなるにつれて、入試問題も難化していく中学受験。効率的な対策をしなければ、合格はおぼつかない。そこで、中学受験の一流講師陣に教科別の勉強法を聞いた。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#28では、「社会」における、地歴・公民を攻略する「理解を伴う暗記術」の重要性について伝授してもらった。(構成/ダイヤモンド編集部 大根田康介)
社会科の3分野における
それぞれの特徴とは?
中学受験の社会科は、「地理」「歴史」「公民」の3分野から成ります。
地理では現在の世界の横の広がりを、歴史では過去から現在に至る縦の流れを、公民では社会の仕組みを学びます。加えて、時事問題(その年のニュースに関する問題)を出す学校もあります。
地理は、原則として日本地理です。47都道府県の特徴、農業や工業などの産業について詳しく学んでおく必要があります。世界地理は貿易関連、ニュースで注目されている地域など限定的です。
歴史は原則として日本史で、旧石器時代から順に学びます。世界史は、日本史に直接的に関わる部分のみが問われます。
ただし、明治時代以降は「国際社会における日本」という立ち位置の部分が大きくなっていきますので、その分だけ内容が複雑になります。
1972年の沖縄返還以降の出来事については、出題する学校は偏ります。とはいえ、バブル経済の時期や消費税導入、阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大きな出来事は、どこの学校を受験する子どもにも教えます。
次ページでは、公民における出題傾向について、政治・経済・国際社会・時事という観点から見ていく。また、入試に臨む際の心構えについて説明する。