「難関校狙いならSAPIX」という考え方はもったいない。首都圏にはSAPIXと同水準で難関校に強い塾があり、独自の強みを発揮しているからだ。そこで特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#29では、御三家合格率が10%を超える希学園首都圏、グノーブル、エルカミノのキーマンに塾の特徴や強みを緊急取材。トップ層だけでなく、塾内の中位層の子どもが狙える具体的な学校名も挙げてもらった。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
御三家合格率10%超
難関校に強い塾を大解剖!
同じ目標を持った仲間と塾で過ごす時間は、ある意味では小学校以上に濃密である。子どもにも家庭にも最適な塾を選ぶべきだろう。
そこで今回は難関校を目指す保護者向けに、御三家合格率でSAPIXと同水準を誇る、難関校に強い塾のキーマンにインタビューをした。
下表は2024年入試の各塾の御三家合格者数と合格率を示したものだ。規模では劣るものの、希学園首都圏、エルカミノの御三家合格率はSAPIXを上回り、グノーブルも高い水準となっている。
男女御三家の入試は2月1日の1回のため、上位層の実力を反映しているといっていい。同じく入試が2月1日のみの駒場東邦、慶應義塾普通部を加えた数字も参考値として掲載した。
大前提として、小規模塾のメリットは先生と距離が近いことだ。さらに難関校に強いということは、御三家を目指す生徒と切磋琢磨しやすい環境が生まれやすい。
それでは、個々の塾の特徴を簡単に確認しておこう。難関校にも自由な学校から管理型まであるように、難関校に強い塾も教育方針や雰囲気はさまざまである。
希学園首都圏は「面倒見の良さ」が特徴。授業後には自習時間がある。性格面で向いているのは「負けん気の強い子」(山﨑信之亮学園長)で、転塾組からも難関校合格が複数出ているという。
対照的なのがエルカミノだ。「算数が得意な子向き」(村上綾一代表)で、授業時間は短いが、その分集中力が要求される。
グノーブルは急成長中の塾で、年々在籍生徒数が増加。5年生までは通塾日数が週2日と少ない分、子どもが目的意識を持って取り組むことが重要になる。目先のテクニックではなく「あと伸び」を意識している。
次ページでは難関校に強い精鋭塾である希学園首都圏、グノーブル、エルカミノのキーマンに授業の特徴や合格実績について直撃。上位何割にいれば難関校に合格できるのかや、各塾のボリュームゾーンの合格先についても聞いた。雑誌版を大幅に拡大してお届けする。