仏像の種類はわずか4種類
もっともシンプルな「如来」が最高位
【ポイント1】仏像には「如来」「菩薩」「明王」「天」の4種類がある
日本全国に膨大な数がある仏像だが、基本的には4種類に分けられる。
「如来」は、悟りを開いたお釈迦様がモデル。粗末な布のみをまとったシンプルなお姿だが、仏像の最高位である。「菩薩」は、出家前、王子時代のお釈迦様で、しゃれた衣にアクセサリーを着けたお姿である。そして、忿怒(ふんぬ)の表情をしていることが多い「明王」、表情も扮装も個性的な「天」と続く。
「明王は密教の仏様で、如来の化身として怖い顔で人々を仏道に導きます。孔雀明王だけは例外で優しい表情をされています。天はインド古来のバラモン教やヒンズー教の神様が仏教に取り入られ、仏法を守る神となったもので、甲冑姿や昔の中国の貴婦人風など個性的なお姿をされています」
仏像を鑑賞するときには、まずこの4つのどれなのかを確認すると、理解しやすい。その他、聖徳太子や弘法大師、日本の神などの像は、この4分類には入らないが、広い意味で仏像と呼ばれている。
「ところで、そもそもお釈迦様は、仏像を造るのを禁じていたのです」
歴史的に数多くの仏像が造られ、信仰のよりどころとなり美術的評価を受けている現実を見ると、にわかには信じられないがどういうことだろう。