これからのEコマースの課題は
「売り買いの場」から脱すること
新型コロナが収束を見せる中で、人々の行動様式もコロナ禍以前に回帰しているようにも見える。これからのEコマースの展望はどうなるのだろうか。
中森氏は、コロナ下と比較するとEコマース市場の拡大は落ち着き、幅広い世代で定着フェーズにあると分析する。
定着フェーズに入ったということは今後の成長は見込めないのだろうか?中森氏は成長を促すための「キーワード」があると語る。
そのキーワードの一つが『楽しんで買い物してもらう』ことだ。
日常生活で買い物をするとき、例えば声を上げて笑いながら楽しんで買い物をすることは滅多にない。特に対面ではないECでのお買い物では、ニコニコしながら決済まで終えることはなかなかないだろう。
一方で、売る側であるキャスト自身も楽しんで売ってほしいという。
「店員さんの趣味がお客さんにまで伝わって、“今度出た新色がとてもオススメです”とにこやかに薦めることができて、それをお客さんも受け止めてくれる。特定領域あるいは少数店舗でしかできていなかったこと、新しい買い物のスタイルをわれわれのEコマースで提供したいと考えています」(中森氏)
堅調な拡大を続けるEコマース市場。インターネットでの買い物がこれまでのような単なる売り買いの場ではなく、人々の笑いと共感を得られる場になれば、その成長はさらに力強いものとなっていくだろう。
(穂座来萬大/5時から作家塾(R))