今回の記事、ちょっと回り道をしながら説明しますが、記事の最後で「なぜジムのないジムが成立するのか?」が空かされるので頑張ってついてきてください。

 RIZAPグループが運営するchocoZAPは開始3年目で会員数112万人、全国1333店舗(いずれも2024年2月時点)と順調に事業を拡大しています。昨年11月からはchocoZAP事業自体も単月黒字化しています。

 新規事業としては素晴らしい成功例に見えます。現時点では間違いなくそうでしょう。

 では経営陣はこの状態を安泰だと感じるでしょうか?ここにひとつ問題があります。

ブームから失速した「いきなりステーキ」型か?
好循環を生み出せた「セブン-イレブン」型か?

 というのも過去、急速に拡大したサービスや商品には二通りあって、その後も順調に成長するビジネスと、これくらいのタイミングで失速するサービスがあるのです。

 たとえば後者の例に『いきなりステーキ』があります。これだけ順調なchocoZAPですから、関係者は当然、そういったリスクが頭をよぎっているはずです。

 いきなりステーキの場合はブームが一段落して需要が踊り場状態になりました。運悪くそのタイミングで出店は急拡大していたので店舗同士で需要を奪い合う状態が発生してしまいます。

 chocoZAPはサブスクのビジネスモデルですから店舗間で顧客を取り合う心配はありませんが、需要が踊り場になる段階で店舗数が過剰になるリスクは抱えています。

 一方で、セブン-イレブンなどのコンビニはいきなりステーキと違い、需要が踊り場になるリスクを回避できました。コンビニが出店すればするほどコンビニを利用する需要が新たに生まれて、最終的には国民全体が利用者だというところまで順調に到達できたのです。