『ランドリー』サービスは
新規会員をさらに増やす発明かもしれない
さらに、これは私の個人的な観察ですが、最近chocoZAPが始めたランドリーはchocoZAPの新規会員をさらに増やす発明かもしれません。
今年3月にchocoZAPは新たに7つのサービスを本格導入すると発表しました。
新たなサービスは店舗によって異なり、導入のない店舗もあるのですが、いずれも月会費の中で追加料金なしでサービスを受けられますし、会員はどの店舗でも自由に入ることができます。
その中に『カラオケ』と『ランドリー』があることが私の目を引いたのです。
というのも、私はおそらくchocoZAPの店舗が通勤経路にできたとしても通わない消費者だと思います。運動不足は毎朝のラジオ体操で解消していると考えているからです。
しかしそれに『カラオケ』が加わったら通ってもいいかもと思いました。ひとりカラオケのサービスはそれなりに関心を持っていて、それが近所で練習できるのだったら通う頻度は増えるだろうと思ったのです。
私の場合は対象外ですが『ランドリー』には同じ集客要素があってしかも対象となる消費者数はかなり多いはずです。普段コインランドリーを使っていて洗濯の間はスマホをいじって時間を潰していた人が、同じ時間を使うなら洗濯の合間にトレーニングというのはアリです。
このように新しく本格導入するサービスのラインナップを見ると、その多くが「それがあるならchocoZAPに入会してもいい」という新たな理由を掘り起こすメニューであることに気づかされます。
たとえば単身赴任の人が「カラオケとランドリーとジムがあるんだったら月2980円は安いな」と新たに関心を持つようなシーンが生まれるのです。
さてここで冒頭の話に戻ります。この流れで考えたらジムがないchocoZAPにも存在意義が出てきます。実際に全国で目撃されたジムのないchocoZAPの写真を見ると『カラオケとマッサージ』『カラオケ、ダーツ、ビリヤード』『洗濯機とマッサージ』といったサービスで設置されていることがわかります。
つまりこれがchocoZAPの言うとおりの「実験」だとすれば、洗濯の合間に運動する人と洗濯の合間にマッサージチェアを楽しむ人のどっちがどれほど多いのかがわかりますし、カラオケだけをサブスクしたいひとがどれほどあるのかもわかります。
会員データがありますから当然、複数の店舗をまたいでこれらのサービスを使い倒す人の数もわかるわけです。
そしてランドリーやひとりカラオケならジムが設置できないほど小さな不動産でも店舗を開設することも可能です。たとえば実験で「顧客は複数の店舗を訪れて複数のサービスを使い倒す傾向がある」ことがわかれば、これらのジムのない店舗を全国的に増やす戦略はアリだと言えるわけです。
そしてこの記事の途中で書いた究極の課題もこのような実験を続けることでいつか覆るかもしれません。
つまり「コンビニと違い、chocoZAPは国民全体が市場ということはない」という前提が消えて、「国民全体がそれぞれ何らかのサービスをchocoZAPのサブスクで利用するようになる」日が来る可能性があるわけです。
本当にそうなればchocoZAPの店舗数はコンビニのように全国20000店舗まで拡大する余地が生まれます。
そのようなロマンを予感しているからでしょうか?
chocoZAPではコンビニジムではなく「スマートライフジム」という名称を使い始めることになったようです。そしていずれこの言葉から「ジム」という単語すら消える日が来たときは、chocoZAPが最大限に成長する日になるのかもしれませんね。