社外取バブル2024最新版「10590人」の全序列#6Photo:123RF

引く手あまたの社外取締役。その厚遇ぶりがうかがえる、何よりの指標は報酬金額だ。特集『社外取バブル2024最新版「10590人」の全序列』(全14回)の#6では、社外取1万590人の総報酬額を実名ランキングにすることを試みた。前編として上位5000人の実名と兼務社数、推計報酬額の合計を明らかにする。トップの金額は9904万円に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

トップ10の平均報酬額は7000万円超!
2~4社の社外取兼務で「ぬれ手で粟」

 コーポレートガバナンス(企業統治)改革の旗手として、上場企業から引く手あまたになっている社外取締役たち。彼らの中には複数の企業において、そのポジションを掛け持ちすることで、“ぬれ手で粟”ともいえる高額の報酬を享受している者たちが増えている。

 株主としては、彼ら彼女らが、本当にその高額報酬に見合う仕事をしているかどうかチェックしたいところだ。ただ、報酬額の個別開示を義務付けられているのは、1億円以上を受け取る役員に限られる。社外取が受け取っている報酬額の実態はベールに包まれている。

 そこでダイヤモンド編集部は、有価証券報告書のデータを基に、社外取の報酬額を独自に試算。複数社兼務の場合は、全社の金額を合算して実際に受け取っている報酬額に近づけた。こうして上場企業4000社、社外取1万590人を「報酬」で完全序列化した、実名ランキングを用意した。

 ランキングの上位10人の平均報酬額を計算したところ、7077万円だった。彼らの兼務社数は2~4社で、その平均値は3.4社。1位の報酬額は1億円に迫り、2位は8000万円を超えた。トップ10には、官僚OBや財閥系大手商社の元首脳、大学教授などが名を連ねている。

 次ページでは、報酬額の上位5000人について、兼務社数や報酬の実額を紹介する。社外取たちは、果たして報酬に見合うような活躍をしているといえるのか、ぜひ個別に検証してみてほしい。