尾原:(笑)。
澤:だけど、「知らない人たちに対してどうやって教えようか?」という向き合い方をするには、一番手っ取り早いなと思います。
尾原:確かに。
澤:ドラッカーの教えですけど、まずそういう観点でやる。それが商売になりますからね。
これは僕にとって過去の成功体験でもあるので、それを突き進めていくと「やっぱり老害じゃん」という話になるんだけど(笑)。パソコンやネットが出てきた時も、僕は同じことをやり続けているんですよ。
尾原:そうですよね。澤さんは、エバンジェリストとしてやられてきているわけですものね。
澤:はい。それこそ、自分より知らない人にマウントを取るためにやっているんじゃないんですよ。どちらかというと、自分を引き上げるために、他者と一緒に上がっていこうと。綺麗ごとじゃなくて、そのほうが効率がいいんです。
伊藤羊一氏(以下、伊藤):そうだね。
尾原:すごくわかります。
澤:ある人が、「高校の中間試験・期末試験の時にみんなで勉強していて、お互いに教え合うとすごく効率がよかったよね」と話していて、「あ、そうそう」と思いました。
高校生くらいになってくると、言語化の能力が大人に近づいてきます。脳内の構造化で理解力がガンっと上がることは、10代の頃から体験している人もいると思うんですよね。
尾原:そうですよね。逆に、教えることで、自分の「わからない」が言語化されます。自分の「わからない」が言語化されれば、その周りで教え合うことが起きるかもしれない。
まさにインターネット以降は、わかっている部分を発信して「ここがわからないんだよね」と言うと、「説明ありがとう。そこはこう調べたらいいよ」と言って、ヒントをコメントしてくれます。それが、インターネットの「教え合う革命」でした。
伊藤:確かに。