ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。そういった中で「世界の国々をざっと理解できる」「聞いたことのない国でもイメージできる」と支持されている本がある。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。
本書は世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。ここでは、本書から一部を抜粋して世界の国を紹介する。

「フォークランド/マルビナス諸島はどんな場所?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

フォークランド/マルビナス諸島はどんなところ?

 フォークランド諸島/マルビナス諸島は、南米大陸のアルゼンチン沖に位置し、東フォークランド島西フォークランド島の2島を主島として約200の島で構成されます。

 フォークランドはイギリスで、アルゼンチン名はマルビナスです。

「フォークランド/マルビナス諸島はどんな場所?」2分で学ぶ国際社会『読むだけで世界地図が頭に入る本』より
「フォークランド/マルビナス諸島はどんな場所?」2分で学ぶ国際社会『読むだけで世界地図が頭に入る本』より

 住民の多くはイギリス系で、冷涼で多雨な気候のため、樹木は育たず、牧羊、漁業が産業の中心となっています。

 18世紀後半にイギリス(東フォークランド島)とフランス(西フォークランド島)がそれぞれを植民地化しましたが、その後スペインが占領します。

 1816年にスペインから独立したアルゼンチンが領有を主張し占有するも、イギリスは認めず1833年にイギリス軍が上陸し、アルゼンチン人を追放しました。

 以降イギリスが領有しますが、アルゼンチンは領有の主張を続けました。

フォークランド紛争

 1982年4月にアルゼンチンが武力をもって占領したことで、イギリスとの間でフォークランド紛争といわれる戦闘状態となりました。同年6月アルゼンチンの降伏で停戦。

 イギリスアルゼンチンは1990年に国交を回復しましたが、アルゼンチンはこの諸島を新設する州に含めるとし、領有権問題は解決していません。

 アルゼンチンが領有問題を主張するのは歴史的背景もありますが、領海及び近海に油田があることにもよります。

フォークランド/マルビナス諸島​

面積:1.2万km2
首都:スタンリー
人口:3,700人
通貨:フォークランド諸島ポンド
言語:英語(公用語)
宗教:キリスト教57.1%

(注)CIAのThe World Factbook(2024年6月時点)、『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)