「相手に信頼される人が話す言葉には、ある共通点があります」
そう語るのは、アメリカン・エキスプレスの元トップ営業である福島靖さん。もともとコミュ障で、学生時代は友達ゼロ、おまけに高卒。31歳でアメックスに法人営業として入社するも、当初は成績最下位。しかし営業になる前、6年勤めたリッツ・カールトンで磨いた「目の前の人の記憶に残る技術」を営業でも実践したことで成績は急上昇。わずか1年でトップ営業となった。
その福島さんが「ガツガツしなくても信頼される人になる方法」をまとめたのが初の著書『記憶に残る人になる-トップ営業がやっている本物の信頼を得る12のルール』だ。お客様、取引先、社内の人…人と向き合うすべての仕事に役立つと話題。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、著者が出会った「圧倒的な信頼を得る外車販売員」とのエピソードを紹介する。(構成/石井一穂)
圧倒的な信頼を得る「外車販売員」
よく驚かれますが、私は車の免許を持っていません。
でも、車を「綺麗だな」「カッコいいな」と眺めることは大好きです。
営業2年目、ある車好きのお客様との雑談でそんな話をすると、「今度、僕の車の納車があるから一緒に行こうよ」とお誘いいただきました。
それから1ヵ月後の昼間、私はお客様と、ある輸入車の販売店を訪れました。
お店に入ると、「お待ちしておりました!」と、笑顔が素敵な30代くらいの男性が歩み寄ってきました。
親しげな雰囲気で、きっとお客様は、この店の常連なのだろうと感じました。
事務手続きを終えて駐車場へ向かうと、そこにはひときわ輝く綺麗な車が。
イギリス製の高級車で、金額は約3000万円ほどでした。
営業駆け出しの私には、どう転んでも買えない金額です。
羨ましがる私に、お客様は突然こう言いました。
「福島くん、この営業さんを見習うといいよ。僕はこの人からしか車を買わないんだ」
なぜそこまで惚れ込んだのか、僕は理由を尋ねました。