ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。そういった中で「世界の国々をざっと理解できる」「聞いたことない国でもイメージできる」と支持されている本がある。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。
本書は世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。ここでは、本書から一部を抜粋して世界の国を紹介する。

「キリバス共和国ってどんな国?」2分で学ぶ国際社会『読むだけで世界地図が頭に入る本』より

キリバス共和国はどんな国?

 キリバス共和国は太平洋中部に位置し、首都のあるギルバート諸島、フェニックス諸島、ライン諸島など33の環礁からなる島国です。

 赤道を挟み、さらに経度180度を挟んだ広大な海域に島々が散在しています。

 陸の面積はすべて合わせても対馬と同じくらいです。

海面上昇の影響が深刻な国

 環礁とは、サンゴ礁が環状となったもので、中央部は礁湖となります。

 上空から見ると細い環状の陸地の周囲はサンゴなどが生息する美しい海で、陸地の標高が低いのが一般的です。

 そのため、地球温暖化による海面上昇で陸地が水面下となり、人の居住が困難になっている場所が存在します。

 どの島も同じような状況にあるため国内に避難先がなく、オーストラリアニュージーランドに国民を移住させています。

日付変更線が大きく張り出す理由

 国内で時差が2時間出るほど東西に島が離れ、国の中央に180度の経線が通るため、経度に沿った日付変更線を採用すると国内で24時間の時差を出すことになります。

 国内の時差を縮めるために、日付変更線はキリバス国内では大きく東に張り出し、西経150度をさらに東に進んだ場所まで達しています。

 同経度の国外からキリバスに移動すると、同じ時刻であっても日付が1日進むということがあります。

 オーストラリアニュージーランドをはじめとする太平洋諸国との友好関係を推進し、後発開発途上国で大幅な輸入超過となっています。

「キリバス共和国ってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ミクロネシア連邦

面積:811㎢
首都:タラワ
人口:11.7万人
通貨:オーストラリア・ドル
言語:キリバス語(公用語)、英語(公用語)
宗教:カトリック58.9%、キリバス合同教会21.2%

(注)CIAのThe World Factbook(2024年6月時点)、『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)