多くの人が悩みを抱える「腰痛」。日常的に痛みを感じたり、急にぎっくり腰になったりすると、普段の生活に大きな影響が出てしまいます。
前回の記事では、「腰痛の原因」について、18年間で延べ6万人以上の体の悩みを改善した整体師であり、書籍『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』(高野直樹著、森下真紀監修)の著者である高野氏にお話を聞きました。
本記事では、高野氏に「腰痛に効く万能ケア」について聞きました。(取材/構成:塩尻朋子)
(前回記事)『整体師が教える「慢性的な腰痛」と「ぎっくり腰」の意外な原因とは?』
1分でできる腰痛の万能ケアは「青竹踏み」
――脚が「腰痛」の原因になっているのであれば、腰痛のケアはどうすればいいのでしょうか?
高野直樹(以下「高野」):私がオススメする、自宅で簡単にできるケアは2つあります。
一つは、「青竹踏み」です。朝晩1分ずつで構いません、青竹に乗って足踏みをしてください。足裏をほぐすことで、脚から腰に届くよくない刺激を、末端から解放することができます。
また、わざわざ青竹を購入しなくても、手近にあるローラーやゴルフボールなどでも代用できます。デスクワークの合間など、気づいたときにコロコロと足裏をまんべんなくほぐすといいでしょう。
ときどき「青竹に乗るだけで足裏が痛い」という人がいます。この場合、土踏まずの機能が低下している可能性が高い。土踏まずには、体重を支えて歩行をスムーズにする役目があります。足の裏にあるアーチをしっかり使えていないと、歩くたびに骨格や筋肉に直接、刺激が届きます。土踏まずという、クッションが作動しないため「運動もしていないのに、歩くだけでふくらはぎがパンパン」といった症状になりやすいのです。
青竹に乗るだけで足裏が痛いときは、ムリせずに、5秒からでもいいので、少しずつ慣らしていきましょう。
――もう一つのケアは、何をすればいいのでしょう?
高野:脚のストレッチも、腰痛には非常に効果的です。特に、伸ばしたほうがいい部位は、アキレス腱、股関節、太ももの内側です。実際に、アキレス腱を伸ばすだけで、腰痛が消えていく人がたくさんいます。
特に女性は、開脚を積極的に取り入れて、脚の内側をしっかり伸ばしていただきたい。腰椎からの神経は、脚の内側を通り足先までつながっています。つまり、脚の内側が柔軟になると、腰痛だけでなく、神経の通り道で起こる、膝の痛み、外反母趾や扁平足などの、脚の内側が関係するトラブルも改善することが多いからです。
書籍『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』でもご紹介している、骨盤まわりのゆがみケアや、座ったままの足踏みでの腸腰筋を緩める動きも効果的です。
①あおむけになり、ひざを立てる
チェックでわかった、倒しやすかった側だけ行います。あおむけになり、両ひざをそろえて立てます。
②ひざをそろえたまま片側に倒す
ひざはそろえたまま、できるところまで倒し、限界が来たら、3秒間キープしましょう。
③一気に脱力する
3秒間キープしたら一気に脱力。ひざをもとの位置に戻したら、同じことを5回、くり返します。
――ストレッチは何秒くらいやればいいですか?
高野:さまざまな検証の結果から、ストレッチは60秒以上行っても、効果は変わらないと言われています。また、ムリに引き伸ばそうとすると、筋肉は反動で、逆に収縮してしまう性質を持っています。そのため、じんわり「痛気持ちいい」程度で、60秒行うのが最も効果的だと言えるでしょう。