質の高さが証明されたことで
得られる「信用」の効果
登録制度の内容も大きく変化した。これまでは、専門的職員としての学芸員がいるか、博物館資料を持っているか、土地や建物があるか、博物館の開館日数が150日以上かなど、外形的な要件のみで判断していた。
言い換えれば博物館としての内容を評価するものではなかったので、必ずしも博物館活動の質を保証したり、その向上を促したりするものではなかった。
だが、新しい登録制度では、資料を取り扱う体制や、学芸員を含む職員の配置、施設・設備について、外形的な要素にとどまらず、活動内容を審査することとした。
今回のプレスリリースには、登録博物館化について「館の運営や資料の保管における質の高さ等が証明され」たと記されており、新しい登録制度において活動内容の審査をパスしたことへの自負がうかがえる。
ただ、この「質の高さ」を直接、利用者に訴求するつもりはないのが面白いところ。質の高さが証明されたことで「登録博物館同士の連携を一層強化することができる」として、「資料の貸し借りなどが容易になり、遠方の博物館資料を展示することや、動物園や水族館など異なるジャンルの博物館との連携機会獲得」が期待できるとして、「信用」を得られる効果が大きいと見ているようだ。
小田急はプレスリリースで博物館法の改正と新しい登録制度について特に触れていない。少し補足があれば登録博物館化の意義や意味がより伝わったのにもったいない気もするが、そんな「外形的」なことではなく、活動で示していくということなのだろう。