『絶対内定2026 自己分析とキャリアデザインの描き方』の発売とともに2026年卒の就職活動が本格化している。本書の発売を記念して人気企業で採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏に就活の心得を聞いた。本記事では、就活の成否を分けるものは何か、福重氏が考える就活への向き合い方を解説する。(取材・文 奥田由意、構成 ダイヤモンド社書籍編集局)

【26卒必読】内定を得られない就活生に共通する意外な勘違い、ワースト1就活は「推し活」ではない(Photo: Adobe Stock)

自分から情報を取りにいく姿勢を

 これまで私は、就活は「推し活」ではないことを何度もお話ししてきました。

 では、就活において観客ではなく当事者になるには具体的に何をすればいいのでしょうか。

 とても基本的なことですが、まずは、企業の説明会動画などで、企業の人の話をできるだけたくさん聞くことが第一歩です。

 観客型の就活生は、説明会の動画や企業の説明が、わかりやすく、おもしろいことを求めてしまいます。しかし(なかには例外的にトークが上手な担当者もいますが)、説明会で話をする企業の採用担当者は、タレントでも、ユーチューバーでもお笑い芸人でもありません。就活生を楽しませるために企業の説明をしているわけではないので、そのプレゼンは、ときに退屈だったり、あまり要領を得なかったりすることの方が多いものです。

 考えてみれば、仕事というのはえてしてそういうものです。

 仕事の取引先の人や企業内でやりとりするチームメンバー、顧客や消費者は、あなたを楽しませてくれる人たちではありません。ときにはわかりにくいその人たちの言い分や、意図をこちらで汲み取りながら、仕事を進めていかなければなりません。

 就活生は、初めて社会に出る当事者として、その練習をしているとでも言えばいいでしょうか。

就活は「推し活」ではない

 ですから、企業で働く当事者意識がある就活生なら、ファンサービスとは無縁の、ときにはつまらなくて退屈な企業の説明会を視聴し続け、そこから必要な情報を自分で読み解かなくてはなりません。

 たとえば、その企業の儲けのしくみがどうなっているか、どういう形の組織で企業が運営されているのか、そして、その中のどの部門や部署で、自分は働くことになるのかを押さえるのが企業説明会を視聴する際に重要なポイントです。

 この「自分から情報を取りにいく」という姿勢がもっとも重要です。

 忘れないでほしいのは、企業は学生を満足させるために存在しているわけではないということです。

 就活は「推し活」ではない。

 まずはこのフレーズを心に留めて就活を開始してほしいと思います。

福重敦士(ふくしげ・あつし)
株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースHD営業局長
43年続く「ダイヤモンド就職人気企業ランキング調査」で毎年上位にランクインする超大手・人気企業の採用コンサルティングを手掛ける。メーカー、商社、金融、インフラ、マスコミ、コンサル等、採用マーケットを知り尽くしたカリスマ営業パーソン。同社のLIVEセミナーの講演も主宰する。