『絶対内定2026 自己分析とキャリアデザインの描き方』の発売とともに2026年卒の就職活動が本格化している。本書の発売を記念して、人気企業で採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏に就活の心得を聞いた。本記事では、効果的な面接の練習方法について解説する。(取材・文 奥田由意、構成 ダイヤモンド社書籍編集局)

【タイプ別】「面接で落ちない就活生」はやっている、絶対知っておくべき面接の練習方法3選面接の練習にはコツがある(Photo: Adobe Stock)

重要なのは声量とテンション

 面接が苦手で、自分は話し下手だと思っている学生の皆さんも多いのではないでしょうか。

 話し方の上手い、下手の99%は慣れの問題です。

 面接という特殊な状況に慣れていないだけです。もちろん10000人に1人くらいは天性の話術を持つ人もいるかもしれませんが、ほとんどの場合は、誰でも話せるようになります。

 簡単に3つの練習方法をお伝えしましょう。

 1つめに意識して練習したいのは、相手との距離感を意識して、適切な声のトーン、大きさで話すということです。

 適切な大きさというのはもちろん会場の広さによっても変わりますが、目の前にいる面接官の後ろにもうひとり人がいると思ってその人に届くようにしゃべると、ほどよく、元気よく聞こえる大きさになるというのが私の経験則です。

 ひとり分後ろ、とさえ意識していれば、あとは普段どおりにしゃべっても聞きやすい音量で話せるはずです。

 2つめに練習してほしいのは、面接ではきはきして聞こえる音量、テンションの調整です。

 これはできればグループで練習するといいのですが、志望動機などを適切なテンションで話し通せないという人に、まず「1分間、自分が大好きなこと、趣味や楽しかったこと、うれしかったこと、『推し』、なんでもいいので、プレゼンしてみて」と言って語ってもらいます。好きなことなら1分、誰でも話せます。

 次に、「今よりもうちょっとテンションを高めにして、同じように好きなことについて1分間話して」と言います。すると、それが面接で聞きとりやすい音量、ちょうどいいテンションになります。

 そして、このくらいという基準をその場で各人が自分の中に持てたら、その基準になるまで、志望動機や自己PRの内容で話せるように練習すればいいのです。

成功への近道は
自分のタイプを知ること

 3つめに必要なのは、自分の話し方のタイプを知ることです。

 話し方にはタイプがあります。1分間好きなことについて話したときに、時間が若干余る人と時間切れになる人がいます。

 余る人は、もともと言葉数が少ないタイプ。こういう人は、3点法でしゃべってみるとうまくいきます。「私はこういう人間です。3つの観点でお話します。第一に●、第二に●、第三に●。以上です」という話し方です。

 時間が足りない人は、言葉数が多い人です。こういう人が3点法でしゃべるとますます時間がなくなって破綻するので、一点突破法がお勧めです。「私はこういう人間です。なぜならば~」の1点で話し切るのです。

 話し方は単なる慣れと心得ておくだけでも、ずいぶん面接が楽になると思います。是非試してみてください。

福重敦士(ふくしげ・あつし)
株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースHD営業局長
43年続く「ダイヤモンド就職人気企業ランキング調査」で毎年上位にランクインする超大手・人気企業の採用コンサルティングを手掛ける。メーカー、商社、金融、インフラ、マスコミ、コンサル等、採用マーケットを知り尽くしたカリスマ営業パーソン。同社のLIVEセミナーの講演も主宰する。