グラフで積立をやめてはいけない理由が分かる
リーマンショックで元本割れをしても……

 これは金融庁のNISA特設サイトにある「NISA早わかりガイドブック」(資料コーナーに掲載)の中にあるグラフだ。

 毎月1万円を株式指数に20年間積立投資した場合のシミュレーションで、黄色の面が積立元本、青い折れ線は日本株の指数である日経平均株価、赤の折れ線は全世界株式の指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)だ。

 2008年の終わり頃に日経平均株価、全世界株式ともに元本割れをしているのが読み取れる。これがリーマンショックだ。株価の低迷は長く続き、元本割れ状態から抜け出したのは5年後くらい。以降は、米国株も日本株も好調だったことから、運用成績は右肩上がりとなっている。

 20年間の投資元本240万円に対し、世界株に投資をしていたら690万円、日本株なら443万円になっていた(税金、手数料は考慮せず。指数に投資をしたと仮定したシミュレーション)。

 リーマンショックの時にびっくりして売ってしまうと(これを狼狽売りと言う)、元本割れは確定するが、売らずに積立投資を続けていると、2倍、3倍に増えていたことがグラフから読み取れる。

 景気はいい時も悪い時もある。金融政策はその時々の景気状況を判断して決められる。景気や金融政策などの影響を受けて、株式市場も循環するので、暴落しても売らずに株式市場が好調になるまでじっと待つ。多くの専門家が「長期のスタンスで投資を」と言う根拠である。

 リーマンショック当時に受けた相談で、こんなことを言っていた人もいた。