株価暴落の今
やっておくべきこととは?

 ただ、株価暴落時の2つの約束事は、低コスト(手数料が安い)のインデックス型の投資信託を買っているという前提条件がある。

 では、手数料の高いアクティブ型の投資信託を買っていたら、どうすべきなのか。

 具体的には信託報酬(運用管理費用とも言う)が年率1%以上のものは、高い手数料の部類と言える。手数料が高いと、今後株式市場が上昇局面になっても、低コストの投資信託よりも「戻り」が遅れる。手数料が儲けの足を引っ張るのだ。

 高い手数料のアクティブ型の投資信託を積立投資している人は、これを機会に見直そう。

 まず、高い手数料の投資信託の積立はストップする。そして、毎月の積立を低コストのインデックス型の投資信託に切り替える。そうしたほうが、将来の運用結果は良くなるからだ。信託報酬が0.3%以下のインデックス投信を選ぶといいだろう。NISAも勤務先の確定拠出年金(企業型DC)もiDeCoも同様に見直そう。

 積立をストップしても、その投資信託を急いで売る必要はない。なぜなら、今はずいぶんと下がっている局面だから。もう少し、株価が戻ったところで、持ち続けるか、売却するか検討すればいい。

 そもそも、大暴落を受けて、投資した資産は元本割れしたのだろうか。私も自分の投資信託がどうなっているか気になり調べてみたところ、元本割れしているのは、今年4月から積立を始めた日本株に投資をするインデックス型の投資信託だけだった。春先からの高値圏で4カ月積立をしていたので、元本割れも当然のことだろう。買い続けている間に株価が下落することは想定済みなので、ノーアクションとする。

 その他の投資信託は、何年も積立投資をしているものや、ずいぶん前に購入したものなので、これだけ株価が下落しても、利益は十分に出ている状態だ。思ったより下がっていないことにちょっと驚いた。時間を味方につけるのは大事なことだと改めて実感する。

 おそらく「日経平均株価の下げ幅はブラックマンデー翌日を超え過去最大」の見出しインパクトがあまりに強く、その結果、多くの人が不安を覚えることになっていると思われる。下げ幅は過去最大かもしれないが、自分のお金は元本割れしていない人も多いと思うので、ぜひ残高チェックをしてみよう。