長期保有なら金の譲渡益に
お得なダブル控除

 金の取引価格はこの10年間で大きく上昇し、2024年に入って、ニューヨーク金先物市場や現物価格の国際指標となるロンドンの取引価格は高値を更新している。値動きに多少の上下はあるものの、金は現物の価値自体が目減りしにくいことから、経済環境が不安や不透明感に襲われると需要が高まる投資商品とされてきた。

 金投資には幾つかの方法がある。よく知られているのは「純金積立」「現物購入」「金ETF (上場投資信託)」「金先物取引」だが、今回は金投資における税制に焦点を当てるため、控除の仕組みや消費税の扱いに特徴のある「純金積立」「現物購入」に絞って話を進めたい。

「純金積立」「現物購入」は共に金の「現物」への投資である。「純金積立」は、月々一定額を積み立てて金を購入し、購入量が一定に達するまで運営会社に現物を預けておく投資方法だ。毎月1000円からの積み立てが可能で、初期投資が少なくて済むのが大きなメリットだが、購入時の手数料が株と比べて割高なことや、短期間では大きなリターンを得にくいなどのデメリットもある。

 一方、金の延べ棒や金貨などの現物を金属メーカーや地金商、銀行などで直接購入するのが「現物購入」である。最初からある程度まとまった資金が必要になること、純金積立とは異なり、購入時から購入者自身が自宅の金庫、あるいは銀行の貸金庫、保管サービスなどを利用して現物を管理・保管しなくてはならないことを確認しておきたい。