「あの人だからできたんでしょ」と、成功を他人の才能に結びつけて考えていないだろうか?
本連載では、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏が、悩まない人になるコツを紹介する。
いま「現実のビジネス現場において“根拠なきポジティブ”はただの現実逃避、“鋼のメンタル”とはただの鈍感人間。ビジネス現場での悩み解消法は『思考アルゴリズム』だ」と言い切る木下氏の最新刊『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
木下氏曰く、「他人が実現したことは、必ず自分にも実現できる」とし、「できる/できない」は「能力がある/ない」とは関係ないという。
本稿では、できないと思っている人の思考グセについて解説する。(構成/照宮遼子)
「できない」は言い訳? 成功のカギは思考にあり
「あの人だからできたんでしょ」と自分の可能性に蓋をしてしまう人がいます。
しかし、すべての物事は自分の意志で決めているので、うまくいっている人は、自分の意志で決めてうまくいったと思っています。
しかし、うまくいっていない人は、自分の意志ではなく、まわりの環境のせいでうまくいっていないと思いたいので、自分の意志で決めたと思わなくていいような理屈を考えるようになってしまうのです。
悩まない人は、「だれかが実現したことはすべて、自分にも実現できる」と考えています。
一方、悩みがちな人は、「自分に実現できる/できない」を考えてしまいますが、悩まない人は、「この世界において実現できる/できない」を考えます。
かのイーロン/マスク氏は、常に主語が「私、我々」ではなく「人類」だそうです。「我々がこれを実現するために~」ではなく「人類がこれを実現するために~」と話すそうです。
もちろん、身体的な特徴や先天的資質が関係してくるものに関してできない部分はあります。
たとえば、大谷翔平選手のように、メジャーリーグで大活躍できる選手にみんながなれるかというと、やはり難しいでしょう。
「できない」から「やらない」へ、悩みを解決する思考法
仮に、あの人だからできたとして、「どうしてあの人はできたんだろう」と、その理由を考えたことはありますか?
そもそもやりたくない人は、具体的なところまで追究せず、自分には無理とあきらめてしまいます。
考えた結果、その答えが出てしまうと、やらないことを自分の意志で選択したことになり、もはや環境のせいにできなくなってしまうので、そうなる前に自分には無理だと言っておきたいのです。
悩まない人になるには、なぜうまくいったかという具体的な理由を見極めたうえで、やるかやらないかの判断を下すようにしましょう。
「できない」からは悩みは生まれますが、その具体的な方法を知ったうえで、できるけど「やらない」と決めると、悩む余地はなくなります。
「できない自分」ではなく、「やらない自分」を自覚することが大切です。
無理にやろうとしなくていい、楽しく生きるためのヒント
そもそも、自分のやりたいことかどうかわからない人もいるかもしれません。私も自分がやりたいことをわかっていたわけではありません。
「自分のやりたいことをやらなければいけない」というのは単なる呪縛でしかなく、楽しく生きていければ、それでいいのではないでしょうか。
また、どこまでも自分でやりたくない、という人もいるかと思いますが、それはそれで自分でやらずに生きていけばいいのかなと思います。
上に上がりたいけど上がれない、なりたい理想があるけど、どうすればいいかわからないという人には、この本が参考になるのかもしれません。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による特別投稿です)