子どもたちの“ごっこ遊び”を
無理に中断させる必要はない

 赤坂氏が支援に訪れた被災地では未就学児から小学生の子どもたちは、起きた出来事を遊びのなかで表現していたという。

 たとえば、大きな地震の被害を受けた子どもたちが「地震ごっこ」や「津波ごっこ」をするのも、一般的な反応とのこと。

「子どもたちは、遊びを通して自分の身に起きた出来事への理解を深めます。一見、不謹慎な遊びと思われるかもしれませんが、子どもたちの正常な反応です。災害ごっこは、子どもが世界を理解し、自分に起きた出来事を整理するうえで大切な遊びなので、支援者は無理に中断させる必要はなく、まずは見守りましょう」

 ただし、遊びの内容が過激になったり、ケガをしそうになったりしたときには大人の介入が必要、と赤坂氏。大人が関わる場合には、遊びを“良い終わり方”に導くのがベストだという。

「西日本豪雨(2018年)で被災した倉敷市にある学童保育でも、大量の座布団を使った『洪水ごっこ』がはじまったそうです。スタッフの方が撮影した映像には、座布団で川を作り、溺れた子を救助役の子が助け出す様子が映っていました。大人たちは、子どもが豪快に遊ぶのをとめず『よかったね、もう大丈夫!』と救出された子に声がけをしていたんです。スタッフの方は普段から子どものケアをしているので、自然と適切な対応をしているのが印象的でした」