どんなに機会を平等にしてみても結果は不平等なのが、残念なことながらこの世の現実なのである。

「親ガチャ」「出身地ガチャ」を
挽回するために投資は有効

 東京大学が毎年実施している「学生生活実態調査」の2020年度版データによれば、東大生の親の年収は1000万円以上が最多で42.5%。職業に関しても、その38.4%が管理職という結果になっている。ちなみに東大生で奨学金を受給している学生は14.9%とかなり低いが、利用しない理由については、「受ける必要がない」と「(収入が多くて)出願資格がない」で85.4%を占めている。

 これは東大の学生は、奨学金を利用しなくても学費と東京で暮らす費用をらくらく賄える高収入の家庭の子弟が多いということにほかならない。実際のところ、高収入の家庭の子どもでなければ東大進学は難しい。知ってのとおり、日本最高峰とされるこの大学への入学には、学校以外での学習、つまりは家庭教師や塾、予備校が欠かせないのが現実だからだ。

 このように、「親ガチャ」で社会に出ていくずっと前から人生設計に有利・不利が生じているのは統計的ファクトだし、さらにいえば国を問わない人類的ファクトでもあると思う。この非情なファクトに憤りを感じている読者諸氏も、きっといるに違いない。

 こうした親ガチャの挽回に、実は投資が有効であることはぜひとも覚えておいてほしい。なぜならば、投資信託ならば現在では少額で始められるからだ。今では月々わずか100円から1000円で始めることが可能になっている。

 また、同じように出身地ガチャの克服にも、住んでいる場所を問わない投資はうってつけだ。うってつけどころか、地方に住んでいる諸君こそ投資に打って出るべきだろう。なぜならば、地方のほうが都会よりも生活コストが安いからだ。

 生活コストが安いぶん、地方在住のほうが投資に割ける額が増える。熊に追いかけられるような田舎にいてさえ、世界で大活躍している企業に投資できるのだ。受け取ったリターンの使い道もまた、コストの安い地方で暮らす者のほうがずっと大きい。地方で400万円の収入を持てれば、都市部で1000万円の収入があるのと同じようなレベルの生活ができるという説もあるほどだ。

 地方では今、産業が衰退し、その衰退に従って賃金も下がる一方という残念な事実もある。つまりは地方在住者である者こそ、今こそ投資を真剣に学び、向かうべきなのである。

 投資は雪だるま作りと同じで、最初の雪玉が大きければ大きいほどより早く、より大きくすることができる。だから親ガチャ・出身地ガチャを挽回するほど大きな額にしたいのならば、いくらを投資にまわしていくのかが重要だ。