嫁だからと自動的に
頼られるのは不公平

 わが家がお世話になっているケアマネも、実は介護問題に直面しているらしい。彼女の義理の母の調子が悪く、認知症の初期症状らしきものもあり、介護サービスが必要になってきたそうだ。

 するとケアマネの夫は「妻がプロでよかった。よろしく頼む」と、笑顔で言ったらしい。ケアマネは、その時の状況を説明しつつ私に「でもね、あたしたちって、結局は他人ですやん?」と言った。私は身を乗り出して、大きく頷いた。

「嫁だからって自動的に頼られるのって、不公平じゃありません?あたしたちだって仕事があるじゃないですか。それに、実の子にしかできないことだってあるんです。今は制度もしっかりしていますから、働いていても、介護はできます。介護をするのが嫁である必要はないんです。だからあたし、夫に言ってやりましたよ、親の介護は実の子がイニシアチブを取り、あとは家族全員が協力すること。嫁だけの仕事じゃないってね!」

 私は「その通り!」と答えた。

 わが家の場合、介護のスタート時は、事務処理やら手続きが得意で機動力のある私に負担がかかっていた。介護用品設置の立会いや、ケアマネとの話合いも複数回にわたって必要な時期だ。そんな細々とした用事が苦手で人見知りの会社員の夫より、自宅勤務で口も達者な私の方が、登場する回数が多くなったのは自然のなりゆきだった。