iPhoneで使えるAI機能は
他社と同じレベルになってきた
そもそも戦略の神髄とは、戦力が劣る状況でも勝ちにいくことです。
AIで出遅れ、いまだに戦力としてのAIが不十分なアップルの状況は、まさにそのような戦略が必要とされる状況です。では弱い戦力でアップルはどう勝ちに行こうとしているのでしょうか。
まずは最新の製品内容を確認しましょう。
新しいiPhone 16とそれに搭載されるAIのアップル・インテリジェンスについては、「従来の延長線でサプライズはない」というのが参加者の大多数の反応でした。
iPhone 16の機能で地味に便利なのはカメラコントロールボタンがついたことぐらいです。スマホをカメラとして使う局面が多いので、新しいiPhoneではひとつのボタンでカメラを起動できるようにしたのです。
一方で目玉となるアップル・インテリジェンスでできることは、ほぼほぼライバルのスマホでもできることと同じです。
たとえば長い文章を要約してくれるAI機能。これは長文の記事を読むには便利ですが、すでに存在する機能です。
他にも便利だと思えるのは、店を撮影するとその店の評判やメニューなどが検索できる機能や、膨大な写真のアルバムから「赤いポロシャツを着てビーチで撮影した写真」といった具合に文字で写真を検索できる機能です。また、メールアプリでは早く返答する必要があるメールを上位表示してくれるAI機能も搭載されます。
写真の編集については、グーグルPixelの消しゴムマジックと同じ機能も発表されました。一方でサムスンのスマホが搭載する翻訳機能と類似の機能については発表はありませんでした。
日本人にとって少し残念なことは、アップル・インテリジェンスは英語版からリリースされて、日本語版の利用は2025年からになるといいます。まとめると「iPhoneで使えるAI機能は他社と同じレベルになってきた」というのがこの日の発表だったのです。