「ぱっとしない戦力」のアップルが
既存の全iPhoneへAI機能を開放するワケ

 まだ生成AI自体がどのようなアプリに発展するか、各社とも試行錯誤の段階です。だからいたしかたないと思える一方で、これまで革新的な製品を発表してきたアップルでも、この程度の発表かとがっかりした向きも少なくないはずです。

 ではなぜこの「ぱっとしない戦力」のアップルが、競争戦略としては好業績を狙えるのでしょう。

 その鍵は、「アップル・インテリジェンスは既存のすべてのiPhoneで使うことができるようになる」というアップルの戦略判断にあります。

 発表に先立つ市場の憶測では、アップルが発表するAI機能は新型iPhoneないしは、既存機種ではハイエンドのiPhone15 proぐらいでしか使えない設定になるだろうと推測されていました。

 わたしのスマホはiPhone 12 Proなので、この機会に16に買い替えることになるだろうなと考えていたのですが、今回の発表を見ると、このままの機種でもAI機能は使うことができるようになりそうです。

 このニュースを聞いて、多くのiPhoneユーザーは喜んだのではないでしょうか。「買い替えなくてもiPhoneでAI機能を使うことができそうだ」と。