新型はクラストップの静粛性の持ち主
e:HEV制御見直しと徹底した遮音対策のメリットを実感

 マイナーチェンジの見どころはグレード展開の変更にもある。1.5L(118ps)の純エンジン仕様のG、1.5Lエンジン(108ps)+モーター(131ps)で構成するe:HEVハイブリッド仕様のXとZという従来からのグレードをベースに、2種のパッケージを用意して選択肢を広げた。新設定モデルは「都市も自然もアクティブに楽しむ」をコンセプトにルーフレールや専用カラーの撥水・撥油機能を備えたコンビシートを採用するX HuNTパッケージと、2トーンボディカラーとグレージュの内装色を持つ「都会的なコーディネート」を意識したZPLaYパッケージである。

 今回、純エンジン仕様のFWDモデルを廃止をするなど、ホンダSUVラインアップに加わったWR-Vとの性格分けを鮮明にする車種体系に整理され、グレード選びが容易になった印象だ。

 試乗レポートはFWDのZ PLaYパッケージをメインに4WDのZの印象を加えるカタチで報告しよう。

 最初に乗ったPLaYパッケージのスレートグレーパール/ブラックのボディ色は、ヴェゼル初採用。ドアのロアガーニッシュを彩るブルーの挿し色が個性的で、狙いどおりの“都会的な印象”を感じた。

 ドライバーズシートに腰を下ろした瞬間に好感を抱くのは、スッキリとした視界の広がり。水平基調で上面に凹凸や継ぎ目がないダッシュボード、手前に引かれたAピラー、ドアミラー周辺の“抜け”のよさがワイドな視界をもたらす。これは、従来からヴェゼルが継承してきた優れた財産である。

 走り始めてすぐに実感するのは、静粛性の明確な向上。これには2つの要素が考えられる。ひとつはリファインされたe:HEVソフトウェアの効果だ。今回ハードウェアは不変ながらEV走行領域の拡大やエンジン始動/停止頻度の低減など、総合的なセッティング変更を実施した。これが好印象につながっている。もうひとつは、遮音材や防音材の拡大採用によってロードノイズやエンジン透過音が低減された点。