2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

「肉体」は老いるが、「魂」は歳を取らないらしい

「体」という言葉の語源は「空魂」だと言われています。「空魂」とは、魂の入っていない入れ物・容器のことです。

 私たちの本質は、肉体は「空魂」である箱であって、そこから魂がポーンと抜けてしまうと倒れてそれっきり……。

 つまり、「空魂」とは、魂が入っている間は生き物なのですが、魂が抜けると物体になってしまう……という、たとえをあらわしている言葉のようです。

「私たちの魂」は、私の頭骨にスポンと埋まっているらしいのです。「体」自体は箱であって、「私」ではないようです。魂が体(箱)に入り込んで、はじめて「私」になっているのですが、この魂のことを、「心」と呼ぶようです。

 そして、体は箱であり物体ですから、当然、老いますし、病みますし、疲れますし……、やがて、死をむかえることでしょう。

「物体」というものは、プラスチックであろうが、絹であろうが、金属であろうが、どんなに頑丈なものでも、朽ち果てていきます。

 当たり前のことですが、人間の体も物体なのだから、当然、老化していきます。

 臓器も物体ですから、やがては、機能不全になったりするでしょう。

 肉体は、「老いる」「病む」「疲れる」「死ぬ」ことになります。

 しかし、その一方で魂は、物体ではありませんから、「老いない」「病まない」「疲れない」「死なない」らしいのです。

 私の考えでは、魂は物体ではなく「4次元的な存在」なので、歳を取らないようです。それなのになぜ、私たちは歳を取ったと思うのでしょうか。それは、肉体に引きずられているから。

 魂が主役であって体は従属しているとしたら、魂と体は主従関係にあって、主人が思ったことについて体は反応するでしょう。

 ところが、体に変調をきたしている人は、この矢印が全部「逆」のようです。老いていく体に引っ張られているので、魂も老いていってしまうらしい。

 体が病んでいると、「私は病気なんだ」と思って、魂も病んでしまう……。体が疲れると、「私は生きていることに疲れている」と思って、魂も疲れてしまう……。肉体が死にかけていると、「ああ、私は死ぬんだ」と思って、魂も死にかけてしまうようなのです。

 魂は物体ではないので、老いることも、病むことも、疲れることも、死ぬこともないらしい。魂は、肉体がなくなっても、ずっと存在しているようなのです。

 あるとき、ブヨに刺されたことがありました。血管が見えなくなるくらい腫れて痛くて痒かったのですが、「痛くて痒いのは私の体である。そして、私(魂)は痛くもないし痒くもない」と思ってみたら、ずいぶん痛みも痒みも少なくなった気がしました。

 肉体は当然のことながら、老いていきます。肉体に限らず、物体として宇宙に存在するものは、朽ちていく。それでまた新しい造形物を構成して、その造形物がまた崩れ落ちて地面に戻って、ということを何十億年も繰り返しているみたいです。

 それは、ただグルグル回っているだけで、物体は、ただ輪廻転生を繰り返しているらしい。私は、昭和23年生まれですが、「魂」的には歳を取っていないと思っています。「外見は60歳じゃないか」と言われてもかまいません。外見は、別に何歳でもいいのです。

 本人が歳を取っていないと思っている以上、「魂」は老いていないと思うのです。