老いてからでないと見えないもの
「ザ・ローリング・ストーンズ」のリードボーカリスト、ミック・ジャガーさんは、若い頃、「45歳になって『サティスファクション』をまだ歌っているくらいなら、死んだ方がましだ」と言ったそうです。その時、まさか自分が80歳を超えてもロックを歌っているなんて全く想像できなかったでしょう。
そのミックが70代を迎えた時、イギリスのサンデー・タイムズ紙のインタビューに、このように答えていました、
ロックンロールはもちろん、あらゆるポップミュージックは、正直なところ、70代でやるものではない。そのために作られたものではないんだ。この年齢でエネルギッシュなことをするのは、本当に無理がある。でも、だからこそ、やりがいがあるんだ。
老いたからこそ新たなモチベーションが湧くこともあります。ですから、老いることは決して怖いことでも悪いことでもありません。白川静が著した『字通』によると、「老」という文字には「優れる」という意味もあるそうです。
若い頃には見えず、老いてからでないと見えないものが必ず存在します。自分が老いて古くなるということには、「害」の面でなく、「優」の面もあることをしっかり覚えておきたいものです。